2021年11月25日木曜日

OSJ KAMI100 レースレポート

 大会:第一回 OSJ KAMI 100

開催日:2021年11月6~7日
開催地:兵庫県香美町ハチ北
天候:曇り時々晴れ

結果:41位/378人(総合)、15位(40代男子)
タイム:17時間26分45秒
距離:約111km (37km x 3周)
獲得標高:約6300m

©︎Sayako Ikeda

100kmを超えるトレランレース完走。
それは自分にとってはまだ未知の世界。
来年100マイル(160km)で戦いたい私にとっては必要不可欠なステップだ。

結果から言うと“完走”は成し遂げた。
しかし、完走しただけで“戦う”ことはできていなかった。
完全な走力不足を見せつけられたレースであった。

KAMI100のコースは、林道からテクニカルなシングルトラック、激坂舗装路まで変化に富んだ楽しい1周37kmの3周回コース。
©︎Sayako Ikeda
ハチ北エリアの紅葉は今が見頃で、カラフルで綺麗な山並みが疲れる心身を癒してくれる。


100kmをハイペースで走り切る自信は正直まだなかったので、混雑が予想された最初のシングルトラックまでだけは若干ペースを上げ、1周目はできるだけペースは抑え目にした。

©︎Sayako Ikeda

ハイペースでの練習は30km程度までしか延ばせなかったので、少なくとも練習よりはペースを落とし、心拍数をコントロールしながらレースを進めた。

しかし、レースが少ない近日、こうして再び沢山の人達と切磋琢磨して走れることにテンションが上がり、気づくとペースアップしてしまって自分を抑えることが難しかった。

©︎Sayako Ikeda

2周目へ突入。ペースを落として走っているとはいえ、50kmを超える距離は練習でもこなしていないので、疲労が着実に蓄積し始める。

©︎Sayako Ikeda

ペースが似通った人達と抜きつ抜かれつ、励まし合いながら前を進む。キツい状況ではあるが、こうしたレース中のライバル達との交流もすごく好きだ。

2周目後半からは日も暮れ始め、ヘッドランプを使用。ナイトランの経験があまりないので不安ではあったが、トレイルマスター(Mile Stone)が想像以上に使いやすく、ナイトトレイルを新鮮かつ楽しく感じることができた。


3周目に入り、走行距離80kmあたりから自分の脚の限界点を感じ始めた。ペースを落としてたとはいえ、トレーニング距離を考えたらこの辺りが今の自分の限界ポイントかもしれない。
練習はやはり正直だ。

↓は4月からの走行距離のまとめ。()はMTB
10月: 324km (792km)
  9月: 351km (762km)
  8月: 213km (814km)
  7月: 222km (404km)
  6月: 192km (582km)
  5月: 122km (590km)
  4月: 166km (565km)*足底筋膜炎再発

致命的だったのは、春先に調子が上がってきたところでの足底筋膜炎の再発。8月終わりまで思うように距離が延ばせず、9月10月でようやく復調した。

自転車しかやってこなかった自分は、絶対的な走力不足を感じていたのでこの故障は心身ともに大きな痛手だった。十分な距離の耐性を作れなかったことが今回の後半の大きな失速に繋がったと思われる。
次第にジョギングペースも辛くなり、歩きと小走りの繰り返し。登りはほぼ歩き。こうなると心拍数も上がらず、身体が温まらないので今まで気にしていなかった寒さも急に感じ始めた。11月で標高1000mを越える地点なので気温も一桁。冷え切る前に持っていた防寒具をすぐに着込んだ。

90kmを超えるとさらに身体のダメージは進行。
走れなくなるのはある程度想定内だったが、登りの歩きも困難になり、下りの衝撃にも耐え難くなってきた。特に左の大転子周辺に痛みが強くなっていき、下りすらも歩き始めることに。
冷えで固まっていく身体が言うことを聞かなくなっていく。

©︎Sayako Ikeda

近年感じたことがないほどの辛い状況だ。
この状況に陥った原因を頭の中でひたすらに模索する。

「もっと序盤でペースを落としていればここまでダメージは来なかったのではないだろうか?」
「ペースを落としてたとしても、100kmも走ればどっちにしてもダメージは変わらなかっただろうか?」
「補給ミス?いや補給は上手くいっているはず。空腹もエネルギーレベル低下も感じてはいない。」

色々考えるが、結論は単なる走力不足。
弱い自分が原因。

沢山の人に抜かれても悔しさを感じる余裕すらない。
一歩一歩に感じる苦痛、完走できるかの不安。
まさに極限状態。

その極限状態を顕著に表しているのが↓の各区間の順位推移。

1周目               26位
2周目               25位
3周目(〜CP2) 38位
CP2→FINISH   221位
最終結果           41位

CP2〜フィニッシュ区間の順位を見ると、命からがらフィニッシュに辿り着いたことがよくわかる(苦笑)。
ここまで潰れた経験はMTBでも経験がないかもしれない。

思うようなレースも出来ず、ボロ雑巾のような姿で帰還したが、現状でのベストを尽くし、100kmという未知の距離を完走した達成感と喜びは一入だった。

勝負に全く絡めなかった悔しい思いもあったが、フィニッシュした時には思わず笑顔がこぼれた。
©︎Sayako Ikeda

上手くいかない時もあるからこそ面白い。
今回100km走ったことでやるべきことがさらに明確となった。
地道に積み上げて這い上がるしかない。

寒い中、徹夜でサポートしてくれた妻には心から感謝。
ノートラブルで一緒に戦ってくれた装備品にも感謝。
コロナの大変な状況の中で開催してくれた大会にも感謝。


特にコース案内、エイドステーション、MCのスタッフの方達の対応が"KAMI"だけに神対応で感謝感激でした。

エイドでのポジティブな声がけ、温かいスープなどのオファー。コース案内の丁寧さと応援。ユーモアを交えた温かいMCなどなど。

何百人もいるレーサーを3周回で一人一人に日中夜声をかけていると思うと涙が出ます。
©︎Sayako Ikeda

本当にありがとうございました。

今回感じた自分の現状をしっかりと受け止めて、MTBと合わせて来年のアメリカでの100マイル複合競技に向けて目標をブラさずに精進していきます。

池田祐樹
Pro Mountain Athlete

〜レース装備〜
シューズ:Altra Timp 3.0
ウェア:Teton Bros.
テーピング:New HALE
コンプレッション:OS1st
補給:GU Energy, Challenger
ライト:milestone トレイルマスター

今回のレースの基本装備

シューズは慣れ親しんだ ALTRA TIMP 3
マメやスレもなく、17時間半ノートラブル。
足首にはニューハレXテープ3枚貼り
ふくらはぎにはニューハレVテープ
膝にはニューハレVテープ
捻挫予防、ブレ防止、サポート、疲労軽減など大きな恩恵を受けました。

【今後の大会参加予定】

11月28日(日):MTB

12月19日(日):トレイルラン