2021年11月29日月曜日

【SUSONO MTB CHALLENGE】4時間耐久レースレポート

大会:裾野市制施行50周年記念
           SUSONO MTB CHALLENGE 2021
            4時間耐久レース
開催日:2021年11月28日
開催地:静岡県裾野市
天候:晴れ
結果優勝
周回数:10周
タイム:4時間10分50秒
距離:約63km (6.3km x 10周)
獲得標高:約2850m (285m x 10周)

パンデミックの影響により、私にとって約2年ぶりのMTBレースとなった今大会。

ナンバープレートを付けたレースバイクはやはり映える
さらに富士山まで見えてパーフェクト。

レースは、登って下るシンプルなレイアウトの1周距離6.3km、獲得標高285mの林道コースを使い、4時間で何周できるかを競う耐久レーススタイル。

林道と言っても淡々としたものではなく、マウンテンバイクのスキルが試されるテクニカルセクション、延々と続く激坂、集中力が必要なスピードセクションなど、メリハリあるチャレンジングかつ面白い設定となっている。

スタート前に僭越ながらコースアドバイスや激励のコメントをスピーチ。

12時スタート時には、晴れてはいるものの、林の中なので体感的には気温一桁に感じるくらいの寒さ。

冷えにはめっぽう弱いので、上下ウォーマー、ウィンドベスト着用でスタートラインに立った。

スタート1分前のMCの掛け声。
少し空気感がピリッとなる。
久しぶりのこの高揚感。

「ようやくこの舞台に再び戻ってきたんだ」

嬉しくて少しウルっとなってしまう。

30秒前のカウント。
思わず振り向き、後ろに並ぶレーサー達に
「よろしくお願いしま〜す!」
大きく声をかけた。

これだけの沢山の人たちと一斉に走ることもすごく久しぶりでワクワクする。

スタートの合図と共にホールショットで飛び出す。
脚は軽く、最初のテクニカルな激坂セクションも問題なくクリア。すごく良いフィーリングだ。

坂の途中で、同時スタートしたEバイク(スポーツ用電動自転車)カテゴリーのトップ選手がものすごい勢いで抜かしていく。どれだけ付いていけるか力試しをしてみるが、さすがモーターのパワー。全く歯が立たない。

オーバーペース気味にはなってしまったが良いフィーリングで1〜2周を激走、あとはどれだけペースを落とさずに残り時間を戦い抜くかの勝負だ。


周回毎に刻々と変化する轍、ぬかるんだ路面。
前の周回で良かったラインが、次周には無かったりする。
特に最初のテクニカルな登りは毎回適切なラインを探り探り進んでいく。

一漕ぎのミスで足を付いてしまうほどの緊張感。

ひょっとしたらバイクを押して走った方が速いかもしれないが、乗車にこだわって果敢にチャレンジし続けた。

ダウンヒルセクションでも前に人がいた場合は、新しいラインを見つけて抜いていく。

こういったゲーム的な要素もMTBの楽しみだ。

耐久周回レースでの、レーサ同士の声の掛け合いも大好きだ。
後半になると誰もが辛い状況だが、追い抜きざまに励ましあったりすることでお互いに元気を分け合うことができる。

7~8周あたりで何回か前腿が攣りかけるが、ペダリングを変えたり、誤魔化しながら回復に努めた。この攣る感覚すらレースに帰ってきた喜びと受け止めている自分がいた(笑)。

2日前の試走時には9周できたら良いかなと予想していたが、10周も見えてきた。自分の内なる可能性を引き出してくれるレースの効果は、やはりすごい。

この終盤で最も気をつけたいのが集中力を欠いたミス。

陽が落ちかけている暗がりの林のテクニカルなダウンヒルは、日中によりもさらなる集中が必要だ。

今回のCanyon Luxのフルサスペンションが、疲労している身体へのダメージを最小限に抑えてくれたのは大きい。

加えてDT SWISS D232ONEドロッパーシートポストが、予想通り大活躍。通常シートポストで通過できるダウンヒルだとしても、ドロッパーのワンタッチでサドルを下げることで余裕が生まれ、心拍を下られたり安心してスピードを上げたりすることができる。
今回チョイスしたタイヤ【MAXXIS IKON 2.2】も大正解。IKONはオールマイティな性能で知られ、正に今回のような変化に富んだ路面でその力を発揮する。泥、岩場、砂利、スピードセクションまでノートラブルでレースを進めることができた。
結果、予想していなかった10周目に入ることに成功。
最後の登りでは妥協なくしっかり出し切り、下りは安全に集中力マックスでフィニッシュへと向かった。

実は、頭の中では11周したと思いこんでいたが、実際は10周で、レース中は酸欠で単純なカウントもできないことが改めてわかった(苦笑)。

感無量でくぐったフィニッシュゲート。

普段しないウィーリーをするほどにテンションが上がっていた。

レース。
活き活きさせてくれる場所。
弱き自分も強い自分も全てさらけ出せる場所。
私はやっぱりここが大好きだ。
そして「もっと成長したい。」
純粋にそう思わせてくれた実りある日だった。

久しぶりに味わう表彰台の喜びも格別。

自分のレースパフォーマンスを振り返る。
下のグラフは心拍数(赤)、パワー(ピンク)、スピード(緑)、高低差(グレー)。横軸はタイム。

前半2時間
NP: 266W 
HR AVG: 152
IF: 0.86
TSS: 146

後半2時間
NP: 241
HR  AVG: 147
IF: 0.78
TSS: 130

↓ラップタイム
Lap1,   23:42
Lap2,   23:49
Lap3,   24:04
Lap4,   24:13
Lap5,   24:41
Lap6,   25:12
Lap7,   25:03
Lap8,   26:15
Lap9,   26:11
Lap10, 27:29

平均ラップタイムは25分半。

前半(特に2〜3周)はリードを作るため、そして久々レースに高揚していたため、少し飛ばし過ぎたかもしれないが後悔はない。その影響もあったか、後半はパワーを始め、心拍数も少しずつ低下している。もう少しこの下り幅を抑えたいところだが、正直もっと後半はタレると予想していたので現状ではベストを尽くしたと思う。

最後の2~3周のタイム落ちはもちろん疲労もあるが、陽が暮れ始め、下りで安全を意識したことも影響している。

補給は大体3周に一回、GUドリンクミックス(250kcal)
が入ったボトル交換。ジェルを大体20~30分に1個分(約113kcal)摂取。
ボトルは全部飲み切っていなかったりしたので、総摂取カロリーは大体1300~1400kcal程度(ドリンク約500kcal, ジェル約900kcal)。
ちなみに消費カロリーは約3262kcal。

消費に対して50%も摂取していないが、今回の強度や時間帯くらいであれば特にエネルギー不足や低血糖なども感じずに最後まで走り抜けられる。これはあくまで私個人のケースで、体質、季節、経験、体力などにより大きく変化するので参考までに。

この大変な状況の中で大会を開催してくれたパワースポーツ様、裾野市の皆様、大会スタッフの皆様に心から感謝。

レース中ずっとフィードゾーンでサポートしてくれた妻の清子にも感謝。

一緒に励ましあい、戦った参加者の皆様にも感謝。

こうして人との関わりで成り立って、一人では決してできないレースという場。

私はレーサーという立場からMTBレースの発展の一助となれるようにこれからも精進していきたい。

ありがとうございました!

池田祐樹
〜超戦〜
TOPEAK ERGON RACING TEAM



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レース機材・装備

バイク: Canyon LUX CF SLX
タイヤ: MAXXIS IKON 2.2 (F&R), 前後20PSI
シーラント:Finish Line
グリップErgon GA3 オレンジ
グローブErgon HM2
サドル:ERGON SM Pro Men
シートポスト:DT SWISS D232ONE
工具・サドルバッグ・ボトルケージTopeak
スペアチューブ:Tubolite
チェーンオイル:Finishline ceramic wax
ブレーキ:Shimano XTR
ドライブトレイン:Shimano XTRフロント34T
ペダル: Shimano XTR
ヘルメット: Limar AIR PRO

テーピング:ニューハレ


パーソナルスポンサー:


チームスポンサー: