2021年4月12日月曜日

OSJ新城トレイル32kmレースレポート



開催日:2021年3月28日
開催地:愛知県新城市
天候:曇り時々雨

結果7位/636人出走(総合)、2位(40代)
タイム:4時間22分44秒
距離:32km
獲得標高:約2600m

レースのスタートラインに立つのはいつぶりだろうか?

コロナウイルスや足底筋膜炎の影響もあり、昨年のレース回数は一回、今年はこのスタートラインに立つことを待ちわびていた。

高揚感、程よい緊張感、この雰囲気、やっぱり大好きだ。

加えて、今回はMTBではなく、トレイルラン。
まだまだ駆け出しの私はチャレンジャー。周りの強さどころか、自分の強さすらもまだよくわかっていない。そのお陰か変な緊張感もなく、とてもワクワクしている。

怪我復帰からの初戦ということもあり、現状の力試しも兼ねたレースとなった。

スタートからサイラス選手、近江選手がもの凄いハイペースで林道区間を飛び出していく。私は第二集団に入り前を追った。序盤の平坦区間で私でキロ3分半くらいで走っていたが、トップの二人は見えなくなっていったので相当なスピードだったのが伺えた。



スムーズな砂利の林道区間を終えると、難易度が高い激しいアップダウンの超本格登山道が始まる。

私の今回の作戦は、「行けるところまで全力で行く」。潰れるとキツイが、現状の力を把握するにはこの方法が一番わかりやすい。

第二集団の後方から徐々に順位を上げて、気付くと3位までジャンプアップ。

若干オーバーペースな感はあったが、痛みがなく全力で走れる喜びと、レースを楽しむことを優先に、そのまま走り続けた。

しかしながら、序盤の調子に乗ったペースの代償で、第一チェックポイント手前で脹脛が早くも攣り始めてしまい、ペースを上げることができない。

ここから第2チェックポイントの間で一気に順位を落としてしまうが、一桁台のトップ選手たちと一緒に走る経験は大きな収穫だった。

皆、強く、速く、上手い。後ろについて様々なことを学ばせてもらった。

そして、ここ一年はレースもなく、コロナ禍で一人での練習が主だったので、純粋に人と走ることがすごく楽しかった。

脚の様々な箇所が攣り始めるが、止まれば更に固まり動けなくなってしまう。周りについていくためにも、悶絶の痛みに耐えながらも脚を動かし続けた。

レース終盤、7~9位の3人で互いにペースをプッシュし合いながら追い込んでいた。

新城名物の岩場の尾根道。

とても険しいが、残っている力を絞り出して全力疾走で駆け抜ける。絶景とそのスリリングなコースがアドレナリンを更にブーストさせる。

たまらない興奮感だ。

7位で最後の下りへ入る。
すぐ後ろに8位の選手が迫る。

一切のミスは許されない中での縦横無尽に張り巡らされている木の根のダウンヒル。
顔を叩いて、切れそうな集中力を再び呼び起こす。

下りを終えてフィニッシュゲートへ続く舗装路へ出るが、ゲートは目の前だがここに来て再び脚が完全に攣ってしまった。

脹脛が固まってつま先が上がらずに、突っかかってしまう。
脚を上げたいのに体は全く言う事を聞いてくれない。いつ転んでもおかしくない状態だ。

後ろに迫る選手にももちろん負けたくないが、それよりもここに来て歩いたり止まったりしたら自分を許せない。

おそらく周りからは滑稽な走り方に見えただろうが、気力のみで走りきってフィニッシュゲートをくぐった。

結果は、7位。
4時間22分44秒。

勝ったわけでも無いがガッツポーズ、今日この日の自分のベストを1秒も妥協する事なく出し切ることができたことが純粋に嬉しかった。

自分のベストを尽くすためとはいえ、ここまで心身を酷使する極限状態はレースならでは。

脚が痙攣する激痛の中で、この真剣勝負の世界に戻ってこれた喜びを噛み締めながら、思わず笑ってしまった。

レースは少し変態な世界だが(笑)、苦痛に耐えながらも自分の目標のために限界を攻めて、喜怒哀楽の生きている実感を味わえることは、普通に現代を暮らしていたら無いだろう。

誰も見ていなくても、例え結果に出なくても、自分に負けずに頑張った瞬間は、必ず糧になる。

だから、ライバルに勝てない時でも、最低限自分にだけには勝ってやろうと思う。胸を張ってベストを尽くしたと言いたい。

この新城トレイルは、心身の限界テストの場所として最高だった。強豪ランナーが集まり、日本屈指の難コースで、心が折れそうなセクションがたくさんある。

そして、その厳しくも美しい山々をライバルと走る喜びと達成感もまた格別だった。

たくさんの応援、サポート、大会運営、一緒に走ったランナーの皆様、ありがとうございました!

次戦は来週末の「青梅高水国際トレイルラン32km」
今回大きくダメージを受けた身体の回復に努めて臨みます。

当面の最大目標である100マイルレースに向けてフィットネスを高めていきます。そして、もちろんマウンテンバイクでも変わらず王滝など長距離レースで結果を残していきます!

コロナ感染対策をしながらトレイルラン、マウンテンバイク大会が徐々に開催されてきています。

コロナ禍で大会開催が非常に難しい中、懸命に対策をしながら開催してくださる大会の方達には心から感謝です。

参加者としてもコロナ感染対策には普段から十分に気をつけて、大会を一緒に盛り上げられるようにしていきたいと思います!

池田祐樹
Pro Mountain Athlete

〜レース装備〜
シューズ:Altra Timp 2.0
ウェア:Teton Bros.
パック:Ultimate Direction Halo
ソックス:Draymax
テーピング:New HALE
コンプレッション:OS1st
補給:GU Energy, Challenger