大会ウェブサイト:http://www.mavsports.com/pennsylvania-gulch-grind/
開催地:アメリカ・コロラド州ブリッケンリッジ( Breckenridge, CO USA)
開催日時:2017年7月19日
結果:2位(プロクラス)
距離:15.42マイル(約24.7km)
レースデータ:Strava
レース時間:1:10:14
平均標高:3206m、最高地点:3382m総獲得標高:約600m
高地順応の経過、現状フィットネスレベル、メンタル、すべてを試す絶好の機会。
プロクラスのレーススタートは、午後5時55分とほぼナイトレース。レース時間・距離も短いので高強度でのスピードレースが予想される。
午後から雷雨で、レース前は開催が危ぶまれるほどの悪天候。
開催されるにしても、ウェットなコンディションは間違いない。セラミック・ウェットチェーンルーブ(FINISH LINE)とサングラスをクリアグラスに変更し、対策。
アップオイルとボディバターで雨と寒さ対策。標高3000m付近での雨や曇りは気温もすぐに一桁になる。
スタートが近づくにつれて雨脚も緩まり、レースは開催されることに!一時はどうなるかと思ったが、本当に良かった。
小雨は降っているが、問題なさそうだ。
ナンバープレートをピックアップし、準備は万端。
スタート時には奇跡的に雨は止み、晴れ間さえも見え始めた。アームカバーとウィンドブレーカーを脱ぎ、バックポケットにしまい込み、スタートに並んだ。
スタート直後のジープロードは比較的緩やかなペースで始まり、会話さえもあった。
しかし、1キロほど進んだあたりでジェフ・チーヴァー選手(Avout Racing) がペースアップ。集団が一列の棒状になり、ふるいがかけられる。
シングルトラックに入る時には4人の先頭集団に絞られ、さらにそこからペースは上がる。チーヴァー選手と二人のリードでハイペースで登る。
しかし、自分にとってはレッドゾーンに入りっぱなしで正直オーバーペース気味。呼吸が追いつかない。しかし、この状態でどこまでいけるかも今回のレースの出場目的の一つ。ペースダウンはせず、いけるところまで追い込む。
一つ目の峠まで耐えれば、下りで回復ができるはず。爆発しそうな心肺に必死に耐えながら我慢比べ。
しかし、チーヴァー選手の背中が徐々に離れていく。息が上がりきってしまい、足にチカラが入らない。ペースダウンを余儀なくされる。
呼吸が戻らず、足も思うように動かない。
これが高地の恐ろしさ。一回上がりきってしまうと回復が遅いのだ。高地順応はだいぶできているが、まだ完璧ではないようだ。
この間に、後続のドミニク・ベイカー選手とヘンリー・ボイド選手に追いつかれるどころか、抜かされてしまった。2位から4位に一気に転落。
一つ目の峠は4位のままで下りへと突入。
タイム差はキープしたまま下り終え、本日最大の難所「ザ・グラインド」の登りへ入る。
斜度がキツイ上に滑る砂利、動く岩が多く、スキルも体力も両方試される登りだ。そこに今日は雨の影響で泥もプラスされている。
プロファイルで見ると距離は短いが、一つ目の長い登りよりも登頂に時間がかかるほど難易度が高い。
トップを行くチーヴァー選手は1分以上前へ、ベイカー選手は30−40秒ほど前に、そしてボイド選手は5秒ほど前にいる。前も振り返りはこちらの位置を確認する。
表彰台を懸けて、お互いに追込み続け、激しい攻防が続く。
普段出場している数時間に及ぶレースとはペース配分が違い、この短い時間の中ですべてを出し切らなければならない。いつもとは違うキツさ、緊張感がある。
ザ・グラインドを登り切ったところでボイド選手にぴったり追いついた。
2つ目の下り「ペンシルバニア・ガルチ」もかなりラフで、急斜度、動く大きな岩、滑る砂利路面で超集中しないと落車のリスクが高く、かなり危険だ。
下り中盤でボイド選手がコーナーで若干膨らんだ瞬間、リスクはあったが岩が多いインラインに入り、抜き返しに成功。
下り切ると、フィニッシュまで下り基調ではあるが、パンチのあるアップダウンが繰り返されるタイトなシングルトラックが続く。
ここに来て集中力が増し、下りも登りもキレが出てきた。
すごくキツイくもあるが、極上コースのフローを最大限に利用し、スピードがぐんぐん上がり、バイクと一体となり、ライダーズハイになる。最高に楽しい時間。
久しく感じていなかったこのレースの第六感まで研ぎ澄まされたトランス状態。
まだまだ戦える。まだまだ乗っていたい。
しかし、悔しいがレースは時間切れ。
総合3位でフィニッシュゲートをくぐった。1時間10分14秒。トップから2分差。
30秒前で2位に入ったベイカー選手はなんと一つ下のエキスパートカテゴリーのエントリー。彼はダントツでカテゴリー優勝、私はプロクラスでは2位となった。ベイカー選手は、ブレックのローカルで急成長しているレーサー。
後半まで競い合い、4位に入ったボイド選手は、若干16歳。全国高校MTB選手権でも活躍が期待される将来有望な選手。
5位に入ったティム・フェイア選手は、マスターズのサイクロクロス全米チャンピオンに輝いた経験もあるブレックのローカルレーサー。
そして、ベイルから来て優勝したジェフ・チーヴァー選手は終始リードを守り、とても強かった。
2位(総合3位)とはいえ今季初の表彰台。満足はできないが純粋に嬉しいのも事実。
今回の標高順応の反応を見ると、時間をかければもっと回復速度を早められる可能性も感じた。刺激も入ったので、三日後のウィンターパークでのレースではさらに上げられるはずだ。
今回のレースは、ナショナル規模ではないが、やはりアメリカは広い。
コロラドは特に層が厚い。
皆、強く、気持ち良いライダーばかりだ。
この広いアメリカでチャレンジを楽しみ、ライバル達と切磋琢磨し続けていきたい。
たくさんの応援・サポートありがとうございました。
池田祐樹
〜超戦〜
TOPEAK ERGON RACING TEAM USA
〜超戦〜
TOPEAK ERGON RACING TEAM USA
レース中機材・装備:
バイク: Canyon EXCEED CF SLX チームエディション
フォーク・リアショック:Rock Shox RS-1・Monarch XX
ブレーキ:SRAM Guide Ultimate
ドライブトレイン:SRAM EAGLE, フロント34T
タイヤ: MAXXIS IKON (F&R), 前後20PSI
シーラント:Stan’s NoTube Race Sealant
グリップ: Ergon GS1
グローブ: Ergon HM2
サドル:ERGON SMR3 S Pro Carbon
ペダル: Crank Brothers Eggbeater 11
ヘルメット: Limar
工具・サドルバッグ・ボトルケージ: Topeak
チェーンオイル:Finishline
補給食:GU、パワーバージェル&VESPAプロ、Sayako’s Kitchen
ソックス:C3fit
テーピング:ニューハレ
ケーブル/ワイヤー:JAGWIRE
ヘッドバンド:Halo II (ヘイロ II) プルオーバー
チームジャージ:Primal Wear
バイク: Canyon EXCEED CF SLX チームエディション
フォーク・リアショック:Rock Shox RS-1・Monarch XX
ブレーキ:SRAM Guide Ultimate
ドライブトレイン:SRAM EAGLE, フロント34T
タイヤ: MAXXIS IKON (F&R), 前後20PSI
シーラント:Stan’s NoTube Race Sealant
グリップ: Ergon GS1
グローブ: Ergon HM2
サドル:ERGON SMR3 S Pro Carbon
ペダル: Crank Brothers Eggbeater 11
ヘルメット: Limar
工具・サドルバッグ・ボトルケージ: Topeak
チェーンオイル:Finishline
補給食:GU、パワーバージェル&VESPAプロ、Sayako’s Kitchen
ソックス:C3fit
テーピング:ニューハレ
ケーブル/ワイヤー:JAGWIRE
ヘッドバンド:Halo II (ヘイロ II) プルオーバー
チームジャージ:Primal Wear