大会:SDA in 王滝100km🚵♂️
開催地:長野県王滝村
結果:優勝
タイム:5:10:49
距離:100km(GPSデータ95.04km)
距離:100km(GPSデータ95.04km)
TSS:331
獲得標高:約2628m
最高標高:1660m
平均標高:1413m
平均標高:1413m
春の王滝はアメリカでのレース日程により、スキップしたので一年ぶりの王滝でのレース。とても楽しみだ。
今回は、翌日のトレイルラン「ダートマラソン42km」にも出場し、2日間2種目ステージレース「キング・オブ・王滝」にエントリーしているため100kmクラスでの参戦。
コンディションは正直蓋を開けてみないとわからない状態だった。
アメリカでの2ヶ月半に渡る超長距離MTB&トレイルラン複合シリーズ「レッドマン」の疲労が思った以上に深く、王滝まではほぼ激しいトレーニングは行わずに、回復とコンディショニングをメインに日々を過ごしていた。
トレーニングができないことに多少不安はあったものの、昨年末から夏に積み上げたフィットネスは過去最高のものだったのでそう簡単には失われないだろうという自信はあった。
スタート15分前という時に、まさかのブレーキトラブル。しかし、メカニックのお二方がスタート5分前に間に合わせてトラブル前以上の完璧な状態にしてバイクを調整してくれた。
この感謝の気持ちは走りで応えるしかない。
©︎POWERSPORTS
この出来事のせいか、変な緊張もなくリラックスしてスタートを切ることができた。
©︎POWERSPORTS
久しぶりに顔を合わせるライバル選手たちと束の間の談笑を楽しみつつ、リアルスタートの号砲を待つ。
©︎POWERSPORTS
今回はダートに入る前の舗装路からレース開始の合図が鳴った。
いつも通りハイスピードな展開で最初の登りに入る。
高い強度に身体がいきなり悲鳴を上げ、息が上がり、序盤から厳しい戦いが始まる。ここ数週間高強度の刺激を身体に入れられなかったツケだろう。
宮津選手、松本選手が力強く先行するが付いていけない。
続く毛利選手、山中選手との3人パックで一つ目のロングクライムを上がっていくが、千切られないように付いていくだけで必死だった。
下り終えた比較的平坦な舗装路区間で松本選手に追いつき、山中選手、毛利選手、私の4人パックとなる。
©︎Eri Chiba
42kmクラスライダーのスタート前を横切り、たくさんの方達が声援を送ってくれた。
©︎POWERSPORTS
普段の王滝では観客がいるセクションはスタート・フィニッシュだけなので、今回のニューコース設定はすごく嬉しく、たくさんの元気をもらうことができた。
2つ目の登りからようやく身体が動き始め、自分のペースを刻み始める。
気づくと松本駿選手と抜きつ抜かれつの2位パックの二人旅。
王滝のレジェンド的存在であり、尊敬するレーサー松本選手。こうして高め合い一緒に走っていると、何度も負けた松本選手に全力で戦い得た王滝120km初優勝の時を思い出す。
限界ギリギリのペースでキツいが、再びリスペクトする松本選手と戦っていることにワクワクする自分がいた。
34kmあたりの登り返しから徐々に先行し始め、単独で2位となる。
強度の上げ下げを最小限に淡々とリズムを刻みながらレースを進めた。
予想では100kmは4時間半前後でフィニッシュできると思っていたが、70km地点ですでに4時間経過していたので5時間はかかりそうだと感じ始める。
予想外にコースが荒れている上に気温も上昇している。距離も例年より長く感じる。
高い気温で思った以上に発汗量と飲む量が増え、普段は止まらないエイドステーションでも水の補給を2回行った。
例年以上に路面がガレていた影響もあり、コース上では多くの選手達がパンクに苦しんでいる姿を目にした。
今回というか最近は、パンク防止とスピードアップ目的でタイヤの空気圧を高めに設定している。
前後タイヤ22psi。以前は18psi。
タイヤが跳ねる感と若干のグリップ力低下はあるが、トラクションコントロールはサスペンションとタイヤ(MAXXIS IKON)の性能で十分にこなせる。
タイヤはアメリカのレースではMAXXIS RECON RACEを使用していたが、尖った岩と石が多い王滝のレースではサイドカットリスク軽減するために角にノブがある程度立っているMAXXIS IKONをチョイスしている。
RECON RACEの方が転がり抵抗が低くて速いかもしれないが、パンクするリスクが高いこのコースでは少しでも石を弾き、サイドを守ってくれるタイヤを私はチョイスしたい。
おかげで下りでかなり攻めてもノートラブルで乗り切ることができた。レース中の最高速度はGPSで58kphをマークしていた。
高気温に加え、最初の登りのハイペースの影響か、今季初めて足が攣り始めた。
攣った状態で走ると翌日にもダメージが残るので、42kmのトレイルランへのコンディションが不安になった。
止まることはしなかったが、踏みすぎないように気をつけて攣りが収まるまで軽いギヤでスピードを落として回し続けた。
この区間ではタイムを相当落としてしまっただろう。
100kmのゴールが近づいてくる。
120kmカテゴリーを単独トップで走る宮津選手とは15分は離れているとの情報をコーススタッフからもらう。やはりとても強い。
例年ならば120kmの20kmループへ入るが、今年は初めてそのままゴールへと向かう。
離されてはいてもループに入って宮津選手を追いかけたい衝動にもかられるが、ここから始まる登りの辛さも知っているのでゴールへ向かえるホッとする気持ちも混同する。
ゴールまであと1kmほど。
この時点で100kmクラスは優勝はほぼ確実。
もちろん嬉しいが、実際は前にもう一人いるもやもやとした気持ちも正直ある。
フィニッシュゲートが視界に入り、歓声が聞こえてくる。
©︎Sayako Ikeda
私を支えてくれている仲間、家族、サポーターが迎えてくれる。
複雑な思いはありつつも、100kmのフィニッシュゲートを最初にくぐるのは紛れもなく1番目。
堂々と笑顔でフィニッシュしよう。
©︎POWERSPORTS
やっぱり優勝は嬉しい。
©︎Sayako Ikeda
レースが始まるまで全くコンディションがわからなかったが、まだまだ戦える力が自分の中に残っていたことも嬉しかった。積み重ねの大切さを改めて感じる瞬間でもあった。
スタート直前にバイクトラブルを治してくれたメカニックには改めて心から感謝だ。彼らの献身的なサポートなしにはきっと今回の優勝はなかっただろう。
©︎Sayako Ikeda
今日の1位で「キング・オブ・王滝」への優勝へも王手をかけた。
©︎Sayako Ikeda
明日の「ダートマラソン42km」で全てが決まる。
しかし、アメリカで負った足底筋膜炎と肉離れ後遺症次第ではスタートを見送る勇気ある決断をしなければいけない。
「キング・オブ・王滝」第2戦
「OSJ王滝ダートマラソン 42km」レースレポートへ続く。
たくさんの応援、サポート誠にありがとうございました!
©︎Yukihiro Kato
池田祐樹
〜超戦〜
TOPEAK ERGON RACING TEAM USA
レース中機材・装備:
バイク: Canyon LUX CF チームエディション
ブレーキ:Shimano XTR
ドライブトレイン:Shimano XTR, フロント32T
タイヤ: MAXXIS IKON 2.2 (F&R), 前後22PSI
シーラント:Finish Line Tire Sealant
グリップ: Ergon GS1
グローブ: Ergon HM2
ペダル: Shimano XTR
ヘルメット: Limar AIR PRO
工具・サドルバッグ・ボトルケージ: Topeak
チェーンオイル:Finishline ceramic wet
テーピング:ニューハレ
ヘッドバンド:Halo II (ヘイロ II) プルオーバー
チームジャージ:Primal Wear
パーソナルスポンサー:
チームスポンサー:
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