開催日時:9月16日
開催地:長野県王滝村
結果:11位
前日MTB100kmと合わせた総合結果
「キング・オブ・王滝」:優勝
タイム:4:09:15
距離:42km
STRAVA:https://www.strava.com/activities/2712760965
獲得標高:約1094m
アメリカで負った足底筋膜炎と肉離れの後遺症がどこまで回復しているかがわからない状況。ここ数週間のランニングは痛みが出るので全て10km以下、ジョギング以上の強度で走ることができなかった。
レース前日まで、マッサージ、低周波治療、アイシングなど出来る限りのことを行なった。
今回トレイルランにエントリーした目的は、MTB100kmと合わせて競われる2日間ステージレース「キング・オブ・王滝」での優勝タイトルを獲ること。
今年から長距離MTBとトレイルランの二種目でトップレベルを目指す「ウルトラ・マウンテンアスリート」という新たな肩書きとして活動し始めたこともあり、結果が欲しいところ。
日本ではまだメジャーではない、オフロードでの長距離トレイルランとMTBの複合レース。
複合オフロード種目ではエクステラなどは存在するが、長距離となると「キング・オブ・王滝」が国内では唯一無二の存在となる。
そこで、優勝することは私にとって大きな意味を持つ。
足の怪我の不安はあったが、優勝に王手をかけている状況でこのチャンスを棒に振りたくない。
先ずはスタートし、足の状況によっては棄権する覚悟を決めた。
アメリカでのシリーズ戦も最終戦までは首位にいながら、最終戦で途中棄権をした苦い記憶も蘇る。
前日MTB優勝により、スタートでコールアップされて一列目に並ぶ。
緊張はなく、逆に気持ちは吹っ切れていた。
スタートからなかなかのハイペースで最初の長い登りへと入っていく。
登り入り口あたりでは3位。
斜度がきつくなり始めるところで、若干ペースを落としてオーバーペースを避ける。順位は落とすがまだまだ先は長い。
5〜7番手あたりで最初の長い登りを展開。
足の怪我は痛みもあまり感じず、このまま最後まで持ってくれと心の中で祈り続けた。
ペースが合う選手と良い感じで競り合いながら進む。
レースならではのこの高め合う感覚がたまらない。
トレイルランはMTBと比べて、スピードこそ劣るものの機材を通さない分、身体に路面情報がよりダイレクトに入ってくる。
山の中で追い込む自分と大自然と対峙することで、第六感までも研ぎ澄まされるようなトランス状態に入ることができる。
MTBの魅力も大好きだが、トレイルラン独特のこの感覚もまたたまらなく楽しい。
MTBとトレイルラン、楽しさが2倍になり、さらにアウトドアスポーツが好きになることができた。
40歳手前にしてハマった新境地。
苦しい登りでも自然と笑みがこぼれてしまう。
しかし、25kmあたりから足底筋膜炎の症状が少しずつ再発し始めてしまう。。。
ここまで痛みがなかったことも奇跡だったかもしれない。
故障箇所に貼っていたニューハレ テーピングの効果も助けになっていたに違いない。
痛みを避けるため、普段の走り方を変えたことで今まで痛めたことのない左膝皿外下部分にシャープな痛みが発症。
30kmのチェックポイントまではなんとか、ごまかして走っていたが、痛みに耐えきれなくなりジョグとウォーキングを繰り返すこととなる。
ここからの12kmは激痛との戦いとなる。
特に左膝の痛みが強い。
痛みが出ては歩いて、痛みが落ち着いたら、痛みが我慢できなくなるまでジョグ。
その繰り返し。
最後の8kmは舗装路の緩やかな下りだけに走れればスピード区間である。
次々と抜かれるどうしようもない悔しさ。
前日のタイム差を引っくり返される不安。
増していく痛み。
やり場のない怒りと残っているスタミナ。
心はネガティブなダークサイドへと引き込まれていく。
残り2kmちょっと。
たった2kmなのに永遠に感じる。
抜いていく選手が励ましの声をくれる。
元気をもらうが、勢いが長続きしない。
腐っていてはダメだ。
とにかく今できるベストを尽くそう。
前へ進めるだけまだマシだ。
アメリカで棄権した時は前へすら進めなかった。
残り1km。
もう一踏ん張り。
冷や汗かくほどに痛みを我慢してジョギングで前へ。
仲間の応援が遠くから聞こえる。
「まだ間に合う!!!!!!」
その言葉を聞き、意識がハッとリセットされる。
「キング・オブ・王滝」優勝を諦めかけていたが、希望の光が見えてきた。
もう残りゴールまで200メートルほどだが、もう一度ラストスパートをかけた。
永遠にたどり着けないのではないかと感じていたフィニッシュゲートをくぐる。
痛みからの解放。
様々なことがあったが42kmを完走できた達成感。
「キング・オブ・王滝」勝てたかどうかのドキドキ感。
様々な感情が入り混じる。
ライバル選手とサポーターにタイム差を聞くと、
7分ほどだが昨日稼いだタイム差を死守できたらしい!
優勝を実感し、安堵と共に笑顔がこぼれた。
最高の瞬間だった。
トレイルランだけでは11位という惨敗な結果だったが、2日間総合優勝という目標を達成できたので純粋にハッピーだ。
トレイルランだけでは11位という惨敗な結果だったが、2日間総合優勝という目標を達成できたので純粋にハッピーだ。
レース後にすぐに冷たい小川に足を浸けてアイシングでケア。浸かりながら仲間とレースを振り返り談笑タイム。
「ベストなコンディションだったら」考えなくもないが、今日この日にこうなっていたのは必然だったと考える。
この日まで妥協なく過ごしてきて今日このコンディションであれば後悔もなし。受け入れるしかない。
今期はトレイルランとMTBの複合レースは今回で最後。
(MTBはまだ一戦残っています。)
「ウルトラ・マウンテンアスリート」のパイオニアとして
初シーズンを最高の形で終えることができた。
ありがとうございました!
池田祐樹
〜超戦〜
・レース中パートナー・
ニューハレ:テーピング・Vテープ(膝)、Xテープ(足首)
あしラボ:ランニングサポート
AIR FIT:貼る心拍計
GU:ジェル&ドリンク
Power Bar:ジェル
Chamois Butter:擦れ防止クリーム
AmpHuman PR Lotion:パフォーマンスクリーム
あしラボ:ランニングサポート
AIR FIT:貼る心拍計
GU:ジェル&ドリンク
Power Bar:ジェル
Chamois Butter:擦れ防止クリーム
AmpHuman PR Lotion:パフォーマンスクリーム