2019年7月13日土曜日

シルバーラッシュ50MTB・レースレポート

(「レッドマン」・シリーズ第2戦)
(「シルバーキング」・先日の50マイルトレイルランと合わせた2日間ステージレース)

開催地:コロラド州レッドビル🇺🇸


シルバーキング2日間総合:準優勝

タイム:4:10:28
距離:80.5km


獲得標高:約2200m
最高標高:3617m
平均標高:3350m

8時のスタートに合わせて5時起床。

昨日の50マイルトレランレース後から身体は火照り、脚全体のダメージの痛みであまり寝ることができなかった。

ベッドから起きるのもキツいほどだが、昨日よりは若干楽に歩けている気がする。

通常だったら練習を休むほどのコンディションだが、果たしてレースをできるのだろうか。

しかし、これも自分で望んだシチュエーションだ。
このクレイジーなチャレンジを楽しむしかない!

激坂スタートもコースも昨日の50マイルランと同様。

UCIエリートライセンス保持者であることと、レッドマンシリーズ参戦者の特典で最前列にバイクを並べることができた。

 昨日よりもこの坂が壁のように急に見える。

ウォームアップの感じだと、脚の反応は鈍いが、歩いたりするよりは痛みがない。なのでこのMTBを押して登るこのスタートが一番キツい気がする。。。

↓実際の今年のスタート動画。

渋滞回避をするためにある程度頑張って登ったが、脚が鉛のように重く大量の選手に抜かれていく。

スタートの丘上のタイミングチップ通過情報によると151位。。。

丘の上で自転車にまたがると、ふっと身体が楽になった気がした。

ここからだ!っと意気込むが、大量の選手たちが前を塞いでいる。

クネクネのオフロードな上に砂埃が巻き上がり、視界が悪く、抜かすのも困難だが、もっと狭いセクションに入る前に少しでも順位を上げておきたい。

芝生の上や、皆が通りたくない岩の上のラインを駆使して徐々に抜いていく。

抜けども抜けども、前にはまだまだたくさんの選手が見える。一体どれだけスタートの坂で遅れをとったのだろうか。

あれこれ考えずに、とにかく必死に前を追った。

後情報だが、11マイル地点のチップ計測によると32位に上がっていたので、

なんとこの区間で119人抜きをしたようだ。

レースとなると、特に私の本業であるMTBだと、疲労関係なくスイッチは入るようだ。

しかしながら、身体に爆発力と高強度の出力がないことを感じる。アタック的な動きをすると長く続かない上に、そのあとに今まで経験したことがないくらいに辛く感じてスピードダウンしてしまう。

肺も疲労しているようで息が上がると、胸が明らかにいつも以上に苦しい。

FTPを越えないギリギリのペースであればパワーをキープできるので、パンチはないが、ディーゼルエンジンでのスタミナ勝負だ。


折り返し地点で、トップ選手たちとすれ違う。

いつもMTBレースで競っているライバル選手たちは、流石にかなり前を走っている。

この時、前日に50マイル走っていることはほぼ忘れていて、ライバルたちが前を走っているのを見てすごく悔しくなる。

「なにくそ!負けてられるか!」

という気持ちでモチベーションを高く保った。

ペースアップができずに非常にもどかしいが、ペースを落とすこともない。逆に後半ペースダウンするライダー達を少しずつだが抜いていく。

最後の3600m級の峠に続く長い直線の登り。

前に大きな集団が見える。明らかに彼らのスピードはかなり落ちている。

諦めずに、辛抱強くこのペースを保てば、追いついて一気に順位をジャンプアップできるはずだ。

峠までに追いつけなくてもダウンヒルに入れば必ず追いつける。

3500mを越える標高に来ると身体の鈍さを余計に感じる。しかし、これは皆も同じなはずだ。

ここの限界の際でいかに、弱い自分に打ち勝つかが明暗を分ける。

峠の手前で集団の大半を追い抜き、良い位置で長いダウンヒルへと突入することに成功。

昨日と同様のパターンで、最後の最後でまた力強いパワーが湧いてきた。

飛ぶように下り、登り返しも勢いを落とすことなくスピーディーにこなしていく。

また二人ほど抜かす。

さらに上がるテンション。

シリーズ戦のタイム加算があるので、最後の1秒でも削れるように追い込んだ。

心の底からライドとレースを楽しんでいる自分がいる。

そして、前日に9時間近く走っても、翌日にMTBでこれだけ戦えている新しい自分にとてもワクワクしている。

最高の気分だ。

前日と同じく、レッドカーペットを笑顔で通過することができた。


今日のMTBのみの結果は、総合21位、シルバーキングカテゴリーでは1位、レッドマンシリーズ参加者中でも1位。

2日間合計タイム総合「シルバーキング」、2位で準優勝!

昨日のランのタイム差を埋めることができなかったが、MTBの強みを最大限に生かしての結果なので喜んで受け止めたい。

発展途上のランを引き続き強化していけば、優勝の二文字はそう遠くないと強く感じることもできた。


一切のトラブルとストレスがなく、最高の走りをしてくれた愛車、機材には心から感謝。

ありがとう。



次戦は、今月末に開催されるレッドビル3日間MTBステージレース。レッドビル100のコースを3分割にしてレースをするのでレッドビル100へのコース試走と準備にも最適だ。

そして、8月に控えているレッドマンシリーズ怒涛の3戦。
レッドビル100MTB(160キロ)
レッドビル10K
レッドビル100ラン(160キロ)

引き続き、この最高にクレイジーでワクワクするチャレンジを楽しんでいきたい。

たくさんの応援とサポートありがとうございました!

池田祐樹
〜超戦〜
TOPEAK ERGON RACING TEAM USA

レース中機材・装備:
バイク: Canyon LUX CF チームエディション
ブレーキ:Shimano XTR
ドライブトレイン:Shimano XTRフロント32T
タイヤ: MAXXIS IKON 2.2 (F&R), 前後20PSI
シーラント:Finish Line Tire Sealant
グリップErgon GS1
グローブErgon HM2
ペダル: Shimano XTR
ヘルメット: Limar AIR PRO
工具・サドルバッグ・ボトルケージTopeak
チェーンオイル:Finishline ceramic wet
補給食:GU
テーピング:ニューハレ
ケーブル/ワイヤー:JAGWIRE
チームジャージ:Primal Wear

パーソナルスポンサー:
VESPA
C3fit

チームスポンサー:
Canyon
Limar
Maxxis
DT Swiss
Fox