2023年3月25日
大会:クナニ・マウンテンラン、ウルトラソロ67km
オーストラリアナショナルチャンピオンシップイベント
結果:総合4位
タイム:8時間36分16秒
総距離:約67km
獲得標高:約4000m
場所:オーストラリア・タスマニア島
STRAVA: https://www.strava.com/activities/8772221374
先週末の「ドラゴントレイルMTB」3日間ステージレースの激闘から、休む間もなくトレランレース参戦のために、タスマニア島の南ホバートへ移動。
レース受付にて無事にNo.139をゲット。受付時にはIDチェックの他に、必携装備のチェックもあり、蛇に噛まれた時の圧迫包帯や三角巾、3000kjの常時携帯食料など、他のレースではあまり見ない特異なものもあり、事前にしっかりした準備が必要だった。今回の必携品リスト→http://www.kunanyimountain.run/media/kMR_Mandatory_Gear.pdf?v=2023a
正直疲労はMTBレースの残っていたが、身体には良い刺激が入り、連戦に対してモチーベーションは高く臨むことができた。
何より、タスマニアの大自然をまたレースを通して感じられることにワクワクしていた。
今回のコースマップ・プロファイル。なだらかそうに見えるが、4000m登って下るので急峻なコースが予想される。
レースの舞台になるのがホバートのシンボル的な山「クナニ」。開拓民が付けた名前は「マウント・ウェリントン」だが、クナニは先住民アボリジニーからの名前だ。
レースコースの3Dマップ↓
大会ディレクターは、先住民と歴史にリスペクトを込めて、大会名を「クナニ・マウンテンラン」としている。
大会は参加者にレースだけでなく、伝統的な文化も体験してもらおうと様々な素晴らしい工夫を施している。
例えば、アボリジニーのスモークセレモニー(煙で心身を清める儀式)をスタート前に行い、ランナー達が安全に良い走りができるようにと思いを込めて送り出してくれた。
スタート前に記念写真。
Kaiheさんと私は67km。清子とキャレンは25kmに参戦。
67kmは朝6時、まだ暗い中でヘッドライトをつけてのスタート。
いよいよ67kmの山岳大冒険が始まる!
オーストラリアのナショナルチャンピオンシップイベントだけあり、皆気合いが入り、スタートからハイスピードな展開だ。
©︎kunanyi Mountain Run
スタートからクナニマウンテンを、獲得標高約1000m、一気に駆け上がる。序盤飛ばしていたランナー達を徐々にマイペースで捉えていく。
目標は9時間以内。昨年のトップ選手達が8〜9時間のレンジでフィニッシュしていたのでそこに入り込めれば今の自分には上出来だ。
次第に明るくなり、辺りの景色が見え始める。
有名な岩壁「オルガンパイプ」の絶景を目前に見ながら走れる幸せを噛み締める。
クナニ頂上にある最初のエイドではなんと4位通過。
まだまだ序盤なので飛ばしすぎには注意だが、TOP5圏内で展開できるのはテンションが上がる!
半分を過ぎ、足の疲労が溜まり始めるが、依然4位でエイドを通過。前の選手が近いという情報も入り、まさかのTOP3の可能性も出てきた。
コース最難関セクションCathedralにいよいよ入る。
↓のような険しい岩の尾根を走り抜ける。
狭く、険しく、コースサインがなかったら簡単にロストしてしまうような場所でもある。
岩が大きく手を使って乗り越え、かなり慎重に下らないと滑落の危険性もある。しかし、このアドベンチャー的なコースが大好きで、楽しくて、自然とペースアップしていた。
このテクニカルセクションで調子よく進めたおかげで前の選手を捉え、なんと3位に浮上!
このテクニカルセクションを終えると、終盤は意外と走れるトレイルや林道が多くなる。
正直、走れるセクションは苦手だが、先月青梅マラソンでロードを走った成果か?!いつもよりはペースを落とさずに走れている。
脚の内腿と脹脛が何度か攣り、何度も歩きたくなったが、根性で走り続ける。
このTOP3のポジションはなんとしても死守したい。
最終エイドも3位のアナウンスで通過。
走れてはいるが限界はとっくに超えているので、スピードはかなり落ちている。
いつ後ろから選手が追いついてくるかヒヤヒヤし、かなりのプレッシャーを感じながらラスト5kmをプッシュした。
フィニッシュまで1kmあたりから観客も増え始め、歓声を浴びると再び元気が出てきた。
ようやくゴールが見えてきた。後ろもいない。
ボロボロだけれど自然と顔に笑いが溢れてくる。
8時間36分18秒で、タスマニアの大冒険を終えた!
ウルトラのトレランはとてつもなく辛いし、身体のダメージも半端ないけれど、数々の喜怒哀楽のドラマを乗り越えて得るフィニッシュの達成感は、何事にも変えられない宝物だ。
フィニッシュ直後。出し切った感じが出ている変顔(笑)
フィニッシュした時は3位という放送で歓喜したけれど、すぐその後に第2ウェーブの選手が私より速いタイムでフィニッシュ。というわけで4位というオチ。
一回3位と言われてからの4位は悔しいけれど、120%の力を出し切ったので後悔もなく、今回のようなビッグレースで4位という結果も上出来。
トップ3の選手達は本当に強かった。Congratulations!
大会新記録で優勝したアンドリュー選手。
ナショナルチャンピオンおめでとう!
素晴らしい大会運営、大自然を味わえるダイナミックなコース、走り切った全てのランナー達に心から感謝。
そして、たくさんの応援とサポートありがとうございました!
妻の清子もなんとエイジ3位という超好成績を残した。
よくやった!おめでとう!
大会ハイライトムービー。ぜひご覧ください!
今回、日本からの参加者ということで注目を浴び、光栄なことにタスマニアのラジオ、テレビ、新聞に出演させていただきました。素晴らしい経験ができました。
ラジオ局での収録風景。
テレビと新聞の取材撮影風景。
マーキュリー新聞に掲載。
先週末のMTBに続き、最高のタスマニア体験ができた。
まだまだタスマニアを周り切れていないので、離れるのがとても名残惜しい。
ドラゴントレイルMTBに続き、このレースも自信を持ってお勧めできる大会だ。
私も早くも次のタスマニア遠征をいつにしようかと考え中😊