2017年5月2日火曜日

ウィスキーオフロード・プロ・バックカントリーレースレポート

大会名:ウィスキーオフロード・プロ・バックカントリー
大会ウェブサイト:
https://epicrides.com/events/whiskey-off-road/event-guide/
開催地:アメリカ・アリゾナ州プレスコット
開催日時:2017年4月30日
結果:40位(92人出走75人完走)
距離:50マイル(80キロ)

レースデータ:Strava
レース時間:3:38:52
総獲得標高:2296m
TSS:212


一昨日のプロクリテリウムレースは序章、本戦は今回の50マイル(80キロ)の「バックカントリーレース」。

トップライダーは世界選手権並みの選手が揃い、今の自分のレベルと比較できる最高のチャンスだ。

調子は、若干一昨日のレースの疲労が残っているが気にはならない程度。それよりもこの舞台で戦えることに気持ちが昂ぶり、テンションは最高潮だ。

ウォームアップは足をセーブしながらほどほどに。

愛車のCanyon Luxもしっかりと整備し、レースレディ。

スタート位置取りはうまくいき、最前列を確保。
©TakuArai 

スタートはウェスタンスタイルでライフルの号砲でスタート。
 ©TakuArai 

この豪華なメンツと横に並び、スタートを切るだけでもすごい経験だ。
 ©Kenny Wehn 

しかし、経験や思い出だけに留めるつもりはない。私は勝負をしに来ているのだから。
©TakuArai 

スタートから世界選手権を思い出させるロケットスタート。
オフロードに入る前に、集団をバラけさせる目的でなだらかな舗装路登りがしばらく続く。

集団の中にいてもパワーも心拍数も早くもレッドゾーン。明らかなオーバーペースだが着いていきたい。

悔しいがどうしてもついていけず、オフロードに入る少し手前で先頭集団から遅れをとってしまう。トップクラスのとんでもない走りに衝撃をうけるが、腐ってはいられない。足を緩めずに第2集団でレースを進める。

オーバーペースで落ちてくるライダーを少しずつ抜かしていくが、順位はまだまだ半分以下だろう。遅いライダーはこのフィールドに一人もいない。

乾燥がひどく、前のライダーの巻き上げる砂埃でほぼ路面が見えない。前のライダーとも1mも離れていないくらい接戦をしているので、一瞬の判断ミスが落車やパンクを引き起こす。岩もゴロゴロしているのでものすごい集中力が必要だ。

実際、砂埃の中からいきなり現れる岩に反応できずにパンクしている数人のライダーを見た。

下りも集中、登りは常に追い込む。という流れで一瞬も気をぬく暇がない。
 ©TakuArai 

コースの3分の1くらいのポイントですでにトップから10分以上離されているとの情報。ショックだが、突き進むしかない。

路面は砂が浮いてとても滑りやすいのでトラクションを常に意識して登る。標高も高く、照り返す太陽も体力を奪う。

©TakuArai 

↓ダントツのトップ2人(Sam Gaze, Howard Grotts選手)の走り。
©TakuArai 

この登りの後に、風の強い緩やかな長い下りが続くのだが、判断ミスで単独で突入してしまう。このセクションの前に前のグループに追いつけると思いペースアップしたのだが、ギリギリ追いつくことができなかった。

明らかに集団で走ったほうがメリットがあったのだが、悔しくも間に合わなかった。

ネガティブになっても仕方ないので、単独でプッシュし続けた。

折り返し地点での順位は半分くらいとの情報。


 ©Kenny Wehn

レースも後半に入り、
約1時間の長いヒルクライムセクションで前半飛ばしすぎた選手が落ちてくるのを交わして順位を少しずつ上げていく。

足も攣り始めるが、痛みに耐えながらもそのまま踏み続ける。やはりレースでは練習では出せない領域まで追い込んでいる。

こんなにもきつく、辛い状態だが、再び今シーズンも「戦いの舞台に戻ってきた」と楽しんでいる自分もいる。

長く苦しい登りを終えると、フィニッシュまでは下り基調の約30分続く極上のダウンヒル。

Canyon LUXのフルサスペンションを最大限に生かし、下りも限界を攻めて全開ペース。

極上のシングルトラック、集中力を極限まで研ぎ澄ます。バイクと一体になる感覚。最高のトランス状態だ。

6人ほど抜くことに成功。

最後の舗装路セクションも妥協することなく、攻めに攻めた。

たくさんの観客と大きな声援に迎えられながらフィニッシュゲートをくぐる。


©Taku Arai

スタートからフィニッシュの瞬間までまさに「全開」で駆け抜けた。

メカトラもなく、今ある力は全て置いてきた。

その結果は、40位。トップ選手たちには、言い訳もなく、ぐうの音のでないほどにコテンパンに打ちのめされた。その歴然たる差も嫌という程見せつけられた。

しかし、それでも、性懲りも無く、諦める気持ちは一切ない。

むしろ、もっともっとチャレンジしたい、成長したいという気持ちでいる。

やはりこのフィールドが自分を表現したい場所、生きる場所だと改めて実感している。

↓プロメン表彰式。
優勝はSam Gaze選手、2位はHoward Grotts選手。チームメートのKristian Hynak選手3位とJeremiah Bishop選手5位で入賞。素晴らしい。

私もあの上に立つことを純粋に渇望する。いつかは必ず。

夢を思い続け、「生涯現役」「生涯超戦」をモットーに変わらずチャレンジし続けます。
©Taro Kojima

たくさんの応援ありがとうございました!

池田祐樹
〜超戦〜
TOPEAK ERGON RACING TEAM USA
レース中機材・装備:
バイク: Canyon LUX CF 29 チームエディション
フォーク・リアショック:Rock Shox RS-1Monarch XX
ブレーキ:SRAM Guide RSC
ドライブトレイン:SRAM XX1, フロント32T
タイヤ: MAXXIS IKON2.2 TR EXO: 前後20PSI
シーラント:Stan’s NoTube Race Sealant
グリップ: Ergon GS1
グローブ: Ergon HM2
サドル:ERGON SMR3 S Pro Carbon
ペダル: Crank Brothers Eggbeater 11
ヘルメット: Limar
工具・サドルバッグ・ボトルケージ: Topeak
チェーンオイル:Finishline
補給食:GUパワーバージェル&VESPAプロSayako’s Kitchen
ソックス:C3fit 
テーピング:ニューハレ
ケーブル/ワイヤー:JAGWIRE
ヘッドバンド:Halo II (ヘイロ II) プルオーバー
チームジャージ:Primal Wear