大会日:2022年10月30日
〜ワールドチャンピオンシップイベント〜
結果:5位入賞
完走率:22%(完走6名)
タイム:14時間44分50秒
距離:84km
獲得標高:約6250m
路面コンディション:ドライ
天候:曇り時々晴れ
場所:愛知県新城市
STRAVA: https://www.strava.com/activities/8045132506
記念すべき日本初開催の「スパルタントレイル・ワールドチャンピオンシップイベント」に参戦。
戦いの舞台はハードな山岳コースとして有名な愛知県新城。
林道のスピード区間もあれば、手を使わなければいけないような岩場もあり、激しいテクニカルなアップダウンが続く超難コース。
獲得標高も4周(84km)で約6250mと、数字だけでもハードさが伺える。
過酷なコースではあるが、そのアドベンチャー的な地形が冒険心をくすぐり、ワクワクさせてくれる。景色も素晴らしく、私個人的にすごく好きな場所でもある。
©︎PowerSports(OSJ新城トレイル出場時の写真)
今年3月に開催された「OSJ新城ダブル64km」でもトップ10フィニッシュできた相性も良いコースなので今回はさらに上位でのフィニッシュを目標とした。
SDA王滝MTB120kmレースから、ハセツネCUPを経て、MTBの脚からトレイルランニングの脚に仕上げて臨んだ。
調子は悪くない。ただ練習で距離を踏めていなかったので、後半にどれだけ走れるかが鍵となると予想した。
©︎PowerSports
朝6時、長く過酷なアドベンチャーがスタート。
©︎PowerSports
©︎Power Sports
©︎PowerSports
まるで海外のような巨岩の上の道を乗りこえながら、気持ちが高揚する。
阪田選手を追う形で2〜4位パックで進む。
楽しくてテンションが上がっているのでペースを抑えるのに一苦労(笑)
©︎PowerSports
飛ばし過ぎの不安はありつつも、フィーリングは良いのでそのままの勢いで2周目に突入。
エイドでは妻の清子がサポートに徹してくれた。
気温も上がってきたのでスリーブレスに着替え。
心肺は余裕があるが、脚に疲労感が溜まり始める。
©︎PowerSports
足指にマメ?水ぶくれ?ができ始めているのを感じる。
擦れ防止クリームも塗って万全だと思っていたが、若干靴紐が緩めだったせいか、靴の中での遊びがあったようだ。
止まって紐を締め直すが、マメが大きくなっているようで徐々に痛みとなり、スピードがなかなか乗せられない。
抑えていたつもりでもやはり1周目は飛ばし過ぎていたか・・・
ピットゾーンでは、面倒だが靴を脱いでマメの状況を確認。
思ったほど大きくなかったのでクリームを再度塗って靴下を変えて再出発。悪化しないことを祈る。
3周目。
序盤の4kmの林道で一気に疲労が襲う。脚全体が鉛のように重く、平地にもかかわらずキロ7分ペースも辛く感じるほどに。。。
ここは回復が優先と割り切り、歩きも混ぜながら前へ進んだ。
ペースダウンしている時に勢いよく前田選手にパスされて順位が4位に降下。
疲労に加えて気温も上がり発汗量も増えたせいか、脚も攣り始めてしまい、メンタルもギリギリの状況に追い込まれる。マメも大きくなり、痛みも増す始末。。。
しかし、休んだりしていると3周目の11時間タイム関門に間に合わないかもしれない。止まるわけにはいかない。
亀の歩みながらもなんとか進み続けてエイドステーションに辿り着いた。
ここでドリンクでリフレッシュし、置いてあるお菓子をつまみながらスタッフの方達と少し談笑したことで、メンタルが回復し、身体も元気になることができた。
エイドと応援のありがたみを噛み締めながら、3周目後半セクションはなんとかペースを戻すことができた。感謝。
エイドと応援のありがたみを噛み締めながら、3周目後半セクションはなんとかペースを戻すことができた。感謝。
3周目は4位で終え、かかった時間は3時間54分30秒。
©︎PowerSports
2周目より24分も遅くなっていたが
なんとか4時間以内に抑えることができ
タイム関門も余裕を持って通過することができた。
ピットゾーンで足のマメを潰すことも考えたが、もはや痛みすら感じなくなっている状態だったので、残り一周はそのまま行くことを決意。
©︎PowerSports
MC滝川社長から、4周目への意気込みをインタビューされる。
「ようやく長いウォームアップが終わりました!最終周回が私のレースの始まりです!」
実際は4周目を完走できるか分からないほどボロボロだったが、自分を鼓舞するためにもマイクで大口を叩いてみた(笑)。
朝6時からハードコースを10時間以上走り続け、ようやく最終周回へ突入。
足の攣りも収まり、
3周目よりも脚が動いている気がする。
しかし、林道区間を終えるあたりで土屋選手に抜かれ、5位に順位を落とす。
土屋選手はなんと前日に21kmレースをこなし、今日に臨んでいる。リスペクトしかない。
どうやら、最終周回に入った選手は6人しかいない模様。
あとの選手はタイム関門で切られてしまったのだろう。
強者しかエントリーしていないレースでありながら
とんでもないサバイバルレースだ。
まだ生き残ってはいるが、今回の表彰対象は5位まで。
これ以上順位は落とせない。
最後まで何が起こるかわからない。
フィニッシュするその瞬間まで上を目指して前を進み続けていこう。
3周も走ったコースでも暗闇になると、全く違うコースに見える。
強力なヘッドライト (milestone Trail Master) で照らしてはいるが、このテクニカルなコースだとやはりスピードは昼間より落ちる。
転倒や滑落にの注意も必要なので更なる集中力が求められる。
しかしながらナイトランは嫌いではない。
暗闇の中で、ライトが照らす目の前に全集中して黙々と走る。
雑念が入らないほど目の前の瞬間に集中することで、思考がクリアになりゾーンに入りやすくなる。
一種のトランス状態となり、高揚感に包まれる。
疲労もあるので歩みは遅いが、このゾーンに入る感覚が大好きだ。
最後のエイドでは、スタッフと妻の清子が応援してくれて
フィニッシュへのメンタルエネルギーをたっぷりとチャージしてくれた。
最後までありがとう!
想像以上にボロボロの身体だけれど、
フィニッシュが近づいてくると再びエネルギーが宿ってくる。
長かった!死ぬほど辛かった!
でも、最高の達成感!
諦めずに進み続けて本当によかった。
表彰式(町田選手不在)。
TOP4の選手達は本当に強かった。
この過酷極まるレースに挑んだ全ての選手にも心からリスペクト。
これだけキツイ思いをしてもやっぱり新城のチャレンジングなトレイルは変わらず面白かった。
そして、「もっとタフで強い選手に成長したい」
改めてそう感じさせてくれた実り多き大会だった。
沢山の応援、大会スタッフの皆さま、毎周回遠いエイドにも応援に来てくれた妻の清子、心から感謝。
ありがとうございました!
・レース装備・
シューズ:Altra Olympus 5
ソックス:Drymax
テーピング:New HALE(足首Xテープ3枚, 膝Vテープ
擦れる箇所)
補給:GU Energy
ライト:milestone Trail Master & MS-G2(スペア)
ウェア:Teton Bros.
アンダーウェア:SAXX SPORT MESH
朝スタート前にNEW HALEテーピングを真剣に貼る。下りのダメージも最小限に抑えてくれたり、擦れや足首の捻挫を防いでくれたり、テーピングには本当に助けられた。
今回の補給プランは制限時間いっぱいの16時間分を用意。
用意した総カロリーは4600kcal。
大体1時間250−300kcal計算。
メインは愛用しているGU ENERGY製品。
南インドカレー味のホールバー。こちらもシンプルかつヘルシーな原材料から成るエナジー補給食。カレー味は珍しく食事をしているような満足も得られて大成功。