2022年8月13日(土)
結果:63位(プロカテゴリー)
タイム:7時間49分2秒(Chip Time 7:47:57)
距離:105マイル(169.22km)
獲得標高:約3642m
路面コンディション:ドライ〜セミウェット
天候:曇り時々晴れ、小雨
場所:アメリカ・コロラド州レッドビル(標高3000m)
STRAVA: https://www.strava.com/activities/7633422802
私のMTBキャリアはこのレッドビル無しには語れない。
アマチュア時代からこの北米最大の長距離MTBレースに憧れ、2005年(当時25歳)から出場し、上位を目指し、自己記録を追い求め続けている。
今回は、コロナやVISA更新遅延の影響で3年ぶりの渡米、そして私にとって記念すべき10回目のレッドビル100MTB出場であった。
今回、1ヶ月前までは正直スタートラインにも立てると思ってもいなかった。
VISA更新が遅延していて8ヶ月待っていたので、正直渡米も諦めかけていた。そんな時に急展開でVISAが承認!
VISAを受け取ると同時に日本での予定を変更し、約1週間でアメリカ準備を急ピッチで進めて飛行機に飛び乗ってコロラド入り。
100マイルへの準備や、高地順応もいきなり過ぎて準備不足は否めないが、
それでもこの最高の舞台に戻ってきて、海外レースを再開する意味は私にとって凄く大きなものだった。
レース当日朝スタート30分前の6時。
気温は約5℃、さすが標高3000m!
2019年のタイムが考慮されて一番前のゴールド/プロウェーブに入り、3列目辺りに並ぶことができた。
実に3年ぶりの超ハイレベルの大会の雰囲気にテンションは上がりっぱなし!
朝6時半、ライフルの号砲と共にスタート!
最初からバチバチの前方のポジションの取り合いが始まる。
私の目標は自己タイムの更新して、サブ7時間の達成。
正直、急遽決まった出場なのでどこまでできるかは未知だったが、各チェックポイントでのタイムを目標にベストを尽くしながらレースを進めた。
最初の計測ポイント11マイル「カーターサミット」では、目標タイムぴったりで通過。
しかし、余裕が全くない。。。
心拍数が閾値を超えて上がりっぱなしで、下りでもなかなか下がってくれない。
心拍は高く、パワー(ワット)は出ない。
これは典型的な高地に順応していない高強度運動時の症状。
低強度レベルの高地順応はうまくいっていたが、レース強度にはまだ順化が追いついていなかったか?
26マイル地点「パイプライン」は目標から約10分遅れとなる。
ここで友人のトビンとジェニファーから完璧な連携でボトルとジェルを受け取る。感謝!
40マイルの「ツインレイクス①」でも約10分強遅れ。
ここでは、フリスコ滞在でお世話になっている良子さんがサポートをしてくれて、ボトルを受け取る。
撮影もしてくれながらのフィードで初めてとは思えない神サポート!ありがとうございます!
サポーターからの応援&サポートでモチベーションは上がるが、身体が思うように動いてくれないのがもどかしい。
50マイルの折り返し地点「コロンバイン」(標高約3900m)へのロングクライムでは、前回約1時間弱で登ったところを1時間半はかかってしまった。
最後の激坂区間では目眩と軽い頭痛まで感じ、フラフラしながらの登頂。
一瞬だったが山頂からの景色は最高だった!
遥か遠くに見えるレッドビルの町へ向かって50マイルの後半戦が始まる。
ロングダウンヒルは2wayセクションなので、登ってくるライダーに気をつけながらも、知り合いにもたくさん会うので、互いに励まし合った。
下りきった麓ではGU energyのユーリからボトルを受け取る。目標タイムから遅れて少し落ち込み気味の自分を察したのか「最後まで諦めないで自分の走りだけに集中しろよ〜!」と後方から叫んでくれた。目頭が熱くなる。
その次の60マイル地点「ツインレイクス②」では予定より30分は遅れてしまっていた。
その中でも待っていてくれた良子さんは完璧なサポートでボトルとジェルを渡してくれた。
脚が半分攣った状態も長く続き、心拍も相変わらず落ち着かない。
幸い内臓の調子は悪くなく、水分もエネルギー補給もうまくできていた。そのおかげでハンガーノックの症状はなかった。
トビンとジェニファーが待つ「パイプライン②」でも30分強の遅れ。それでも二人ともいつもと変わらずに真剣ながらも笑顔でボトルとジェルを手渡してくれた。
89マイル地点。ここからがレース最難関のロング激登り「パワーライン」が待ち構える。
すでに限界を何回超えているかわからない状況だが、必死にペダルを回し続けた。
プロレベルでも状況次第ではバイクから降りるほどの斜度とテクニカルレベルな坂だ。そして長い。
おそらくケイデンスは30くらいだった?!
辛過ぎる状況なのだが、三年ぶりに「パワーライン」をチャレンジできている現状に少しハッピーな気持ちでもあった(笑)
なんとかギリギリ乗車して峠を越え、束の間のテクニカルなダウンヒルセクションをエンジョイ。
最後のロングクライムは、ひたすら心の葛藤。
準備期間がなかったにしても、コロナ禍でももっとやれることがあったはずだったのでは・・・そして、過去の自分に負ける悔しさ。
このようなネガティブな思考はあったことは事実だが、決してペダルを踏む力だけは緩めなかったのも事実。
ここで力を抜いたらせっかく戻ってきた最高の舞台に失礼だ。
「現状のベストは出し切る」
そこだけは絶対にブレないように。
最後の丘を抜けると大勢の観客に囲まれたフィニッシュゲートが見える。
力を余さないように最後の力を振り絞る。
良子さんが日の丸の旗で迎えてくれているのが見える!
こうしてコロナ禍とVISA更新遅延を経て
アメリカのレッドビル100に戻ってこれたことに
幸せをいっぱい感じることができた!
そして現地で献身的にサポートしてくれた最高の仲間達に心から感謝。
時差があったにもかかわらず、ずっとライブリザルトを見て応援してくれていた妻の清子にHUGE感謝💖
今回10回目フィニッシュしたので(1000マイル記念!)、特製名前入り1000マイル特大バックルをゲット!
サブ9時間のビッグバックルが10個に、この1000マイルバックル。
一人では決して達成できなかった1000マイル。
支えてきてくれた皆のおかげ。
そして、10回記念をこうして称え、評価してくれる大会にも心から感謝。
ここで池田祐樹のレッドビル100MTB歴を振り返る。
2022, 42歳, 93位 7:48:02
2019, 39歳, 25位 7:13:36
2014, 34歳, 28位 7:26:13
2013, 33歳, 20位 7:09:37☆PR
2012, 32歳, 17位 7:15:15
2011, 31歳, 27位 7:17:26
2010, 30歳, 11位 7:20:40★最高順位
2009, 29歳, 18位 7:57:43
2008, 28歳, 21位 7:58:10
2005, 25歳, 56位 8:48:27
年々大会レベルが上がっていて、タイムと順位が全く比例していないのがわかる。
29〜30歳の時にブレークスルー的に速くなり、30代前半でPRも出して強かったけれど、まだまだPR更新できると信じて来年もチャレンジ予定。
今年のタイム落ちの原因ははっきりしているのでキッチリ修正して、7時間切りは必ず達成したい。
しかしながら20代の時よりもまだ速いのは純粋に嬉しい(笑)!
抜けている年は世界選手権や他の国際レースなどにフォーカスしていた。
そして休む間もなく、今週末は「レッドビル100」のトレイルラン100マイル。
前回2019年の初挑戦では故障により途中棄権して悔しい思いをしたので、今年こそはランでもバックルを絶対にゲットしてみせる!
最後に「レッドビル100」から生まれた格言を紹介↓
"近道はない。
誓う。絶対に諦めない。
限界はない。
追い込め。"
この精神で今週末のランも臨みます!
引き続き応援のほどどうぞよろしくお願いいたします!
池田祐樹
〜超戦〜
Topeak Ergon Racing Team USA