2022年9月18日(日)
大会:SDA クロスマウンテンバイク王滝 120km
結果:2位 (100/120km総合)
タイム:4時間29分17秒
距離:約85km(最初の20kmはパレード走行)
獲得標高:約2300m
路面コンディション:セミウェット〜ウェット
天候:曇り時々晴れ、小雨
場所:長野県王滝村
STRAVA: https://www.strava.com/activities/7825472281
長距離MTBレーサー日本一を決めるにふさわしい、国内最大にして最長のMTBレース『SDA王滝』。
コロナ禍を経て実に3年ぶりの開催。
コロナ第7波や前月の大雨での林道崩落、台風14号の接近などの影響で、今回も開催が危ぶまれていたが、大会運営や王滝村の方々の尽力のおかげで、こうしてスタートラインに立つことが叶った。心から感謝だ。
多くの方が待ち望んだ大会だけに、この状況でも1000人近い参加者が集まり、やはり『SDA王滝』の人気と価値の高さを感じずにはいられない。
当日。午前3時20分起床。起きてすぐに朝食を摂り、6時のスタートへ向けて消化時間を確保して身体へグリコーゲンローディング。
今回は開田高原の大好きなパン屋さん『タビタのパン』のライ麦パンほぼ一斤、バナナ一本、豆乳でお腹も心もしっかりおいしくチャージ。
台風の影響の雨予報だったので、レインジェルを全身に塗った。
午前5時15分会場入りして、機材の最終チェックをメカニックの安達さんと、当日東京から駆けつけてくれた「自転車コーキ屋」濱中さんと行い、準備は万端。いつもサポートありがとうございます。
コールアップされてスタートラインへ並ぶ。
久しぶりのこの王滝特有の高揚感と緊張感が懐かしくも心地よく感じる。
今回のコースは、前月の大雨でコースに崩落箇所があったので短縮・変更があり、100kmと120kmカテゴリーは85kmのコースを共有してのレースとなった。
さらにスタートから約20kmは、真っ暗なトンネルを通過したりするので、安全のために先導車によるスピードコントロールの下で皆でのパレード走行。
実際のスタートまで1時間近くあったので、久しぶりに会う仲間と和気藹々とキャッチアップするとても良い時間を過ごすことができた。
ダムからのリアルスタート。
和んだ雰囲気から一転して、優勝候補筆頭であり現王滝MTBチャンピオンの宮津旭選手(PAX PROJECT)を先頭に一気にペースが加速する。
荒れたオフロードの登りがいきなり5km近く続く。
PAX PROJECTの二選手が先行し、そこについていきたいがここは上げ過ぎずにマイペースで最初の登りを3番手で通過。
先月のアメリカのレッドビル100(160kmトレイルランレース)以降、回復優先で高強度のトレーニングがうまくできていなかったので高い出力は出せないが、その代わりにスタミナ・持久力には自信があった。このペースであれば最後までキープできるはずだ。
長い下り後にPAX PROJECTの色川選手がパンクしているところをパス。とても強く有望な若手選手だけに悔しいところだが、パンクは王滝では珍しくないトラブル。修理してまたすぐに復帰してほしいところだ。
私も王滝では過去に何度もパンクしてきたので、シーラント多めに入れたり、空気圧は普段より高くしたり、複数回のパンク対応できる修理工具を持参し、軽量化とのバランスの中で可能な限り対策をした。
尖った岩が多く、ガレている箇所も点在し、パンクするのでは無いかとヒヤッとする場面も何度かあった。
とはいえ、このガレた林道が王滝ならではの路面。
路面からの衝撃を受けながらも「やっぱり王滝はこうでなくちゃ!」という喜ぶ気持ちもあった。
35kmあたりからダム横の平地区間がしばらく続く。
ここで後ろに付いていた岡本選手(NESTO)のさらに後ろに、なんと永田選手(Team A&F/Oakley)が追いついてきたのが見えた。
永田選手は日本を代表するダウンヒル・エンデューロ選手。
いわゆる”下り系”トップレーサーで長距離レースとは対局の種目だが、基本のフィットネスを上げるために積極的にロードバイクなど持久系トレーニングを取り入れたり、強くなるために努力を厭わない素晴らしい選手。
初の長距離MTBレースでこのように早くも頭角を現し、そのポテンシャルの高さに驚かされ、とても刺激を受けた。
前半部分が終わり、順位は変わらず2位。
後半にかけてペースアップをしてトップを走る宮津選手との差を少しでも縮めたいところだ。
現状のペースも悪くないのだが、前へ追いつくにはもう1段階ギヤを上げる必要がある。
感覚的には余裕もあるが、加速をしようと強く踏み込んだつもりでもパワー不足でいまいちスピードが伸びない。
高強度トレーニング不足をここにきて痛感。
とても悔しいが、現状でのベストを尽くして淡々と踏み続けるしかない。
そのまま終盤のループに突入。
このループが思っていたよりもガレ場が多く、山から出てくる水で路面は水溜りもあり、泥セクションも点在する。
ここで42kmと20kmカテゴリーの選手たちとも合流しはじめ、抜き際に声をかけあい励まし合いながらレースを進める。
こうして違うカテゴリーの人たちとレース中に交流できるのも王滝ならではの魅力だ。
天候は後半にかけて台風や雨予報が嘘だったかのように晴れ間も見え始める。予想外の暑さも感じ始めて、ドリンクの消費も思ったより多くなった。
残り約17km地点の最終エイドステーションで、念の為に水補給のために急遽ストップ。
タンクから水がなかなか出てこなくて順位を3位に落とすが、まだまだ追いつける自信はあったので落ち着いて再スタート。
登り中盤で再び2位に浮上。
ここでトップの宮津選手との差が20分近くもあると聞き驚愕する。
リスペクトを感じると同時に悔しい気持ちも込み上げてくる。
2位を守り切る気持ちは全くなく、1秒でも差を少なくするために見えない背中を追い続けた。
周りの20/42km選手の頑張っている姿にも刺激を受け、非常にキツイ場面だがもう1段階追い込む。
激坂な上に濡れたガレ場。
路面も重く、体力の限界の際でなんとか登る。
脚がピキピキと攣り始め、限界を超え始めたところで最後の登りを通過。
ゴールへ続く長いダウンヒルも集中力を切らさず、安全にも細心の注意を払いながら、攻めきった。
結果は圧倒的大差をつけられての2位。完敗。
現状のベストを出し切った結果。受け止めます。
悔しいが、待ちに待った「SDA王滝」を3年分満喫した充実感も同時にあってこの笑顔。
初SDA王滝ながら100kmカテゴリー3位と大健闘した永田選手!
やっぱりMTBライダーにとって王滝はスペシャルなレース!
MTB120km表彰
1位:宮津旭選手
2位:池田祐樹
3位:岡本紘幸選手
4位:根元悠司選手
5位:上原正憲選手
6位:小坂正則選手
改めて、宮津選手おめでとう!
王者にふさわしい圧巻の走り!
王滝のタイトルを奪還できず非常に悔しかったけれど
こうして将来有望な若手ライダー達に刺激をもらって、チャレンジできることもすごく楽しい。
競技歴18年。42歳になっても変わらず悔しくなるし、まだまだ成長したい、強くなりたい、勝ちたいと燃える闘志がある。
沢山の応援・サポートありがとうございました。
今回、改めてルールに沿った必要装備品を確認して収納。
・雨具上下 SPORTFUL DRジャケット(上)
・tubolito スペアチューブ&パッチキット
・Topeak チュビ11、CO2カートリッジ25g2個、マイクロエアーブースター、予備プラグ
・NEW HALEテーピング含む救急セット
これら全てがすっぽり入る収納力を誇る TOPEAK エアロウェッジパック(サイズL)。
これにライトと補給食・ドリンクを加えた装備を携帯していないと失格事項になってしまう。しかしながらルール関係なく、自然を相手にするスポーツなので安全や身を守るためにもどちらにしても装備の携帯はとても大切だと思っている。
補給:GU energyは電解質やBCAAなどの成分とエネルギーを網羅しつつ、とても美味しいので、GU補給は私の楽しみの一つ。
GU ROCTANEドリンクミックス 250kcal x 3 = 750kcal
GU LIQUID ENERGY 90kcal x 8 = 720kcal
合計1470kcal
私は1時間に250-300kcal摂取を目安としていて、大体5時間〜5時間半分のカロリーを携帯。
今回は、4時間半でフィニッシュした時にジェル2個ぶんくらい残っていたので、1時間あたり約287kcal摂取できていたことになる。ハンガーノックにもならずに最後までエネルギー不足を感じることはなかったので、補給面はしっかりできていたと実感している。
特にドリンクミックスのグレープ味がお気に入り。
TOPEAK HEADLUX 250 USB。ライトも必要装備品。序盤の真っ暗トンネル内で大活躍!
タイヤのシーラントはFINISH LINEの「ファイバーリンク チューブレスシーラント」をパンク予防の念を込めて多めに注入。おかげでパンクリスクが高い王滝コースでもノートラブル!
ERGON GA3グリップは握らずに手を置けるので、手だけで無く、上半身のリラックスにもつながり、結果疲労軽減につながる最高のグリップ。ERGONのこの形状のグリップは2008年からずっと愛用している。
膝下に貼ったテーピング「ニューハレ・ニーダッシュ」。踏み込み時の足の軌道のブレを抑え、かかりを向上させてくれる縁の下の力持ち。
バイク: Canyon LUX CF SLX
ホイール:DT SWISS XRC 1200 SPLINE, 25mm
そのうち
秋120km優勝2回
春100km優勝2回
秋100km優勝1回
キングオブ王滝MTB優勝2回
キングオブ王滝優勝1回 (MTBレース翌日の42kmトレランと複合)
嬉しい思いも悔しい思いも沢山経験させてもらい、池田祐樹のMTB史には欠かせない存在で、私を大きく成長させてくれている大会です。
改めて今回の復活開催に感謝です。
ありがとうございました。