後編です。
(👉レッドビル20万フィートチャレンジ達成レポート(前編)はこちらから👈)
45日間でMTB 30,480m、トレイルラン 30,480m、合計60,960m登って下った軌跡。
私は
このエベレスト約7回往復相当のチャレンジを通して
一体なにを得たのか?
・達成感
まずはこれに尽きます(^^)
やったことないこと、そして、できるかわからないことを成し遂げることで得られる充実感は最高でした。
競技人生15年以上になりますが、ここまで登って下った経験は初めてでした。
自転車のみでは達成イメージできましたが、ランニングも合わさったことで達成できるかギリギリのチャレンジとなりました。
特に、ランニングは苦手だった下りを登ったぶんだけこなせたことにより達成感を得ました!
・技術と基礎体力
チャレンジ後半は、疲労が溜まった状態でライド&ランをスタートします。
その中で効率よく、省エネで登りをこなすためにフォームや呼吸の改善を常に努めました。
発展途上のランニングはまだしも、自転車ですらまだフォームやペダリング技術の改善点を発見できたことは大きな収穫でした。
ランで約3時間登って下った後に自転車を乗っていたので、予備疲労がベースでした。
身体が勝手に効率の良いフォームを作り出していった感覚です。
トレイルランニングは技術の改善点だらけでした。
登りは自転車の筋肉と似ているところもあり、応用はできていたのですが、下りは技術に加えて衝撃に対する耐力&体力が圧倒的に足りていませんでした。
序盤は下りからくる筋肉痛に悩まされて思うように標高を獲得できませんでした。
しかし、痛みに耐えながらも毎日アップダウンを繰り返していると、足の着地や体重移動が改善し、耐力も付いてきてだいぶ下れるようになってきました。
ほぼ毎日降った雨の影響で、濡れた木の根や岩で路面の難易度がいつも以上に高く、逆にこの雨が技術力の向上につながりました。
古典的な鍛錬方法ではありますが、この45日間で下りの技術と力は一気に向上したと感じています。
体力面に関して、基礎持久力はかなり強化されましたが、その代わりスピードや最大筋力は正直落ちたと思います。
特にチャレンジ終盤は、極度の疲労でVO2max以上の出力を出せなくなり、エンデュランス〜テンポが基本となっていました。
序盤、自転車は大丈夫だろうと調子に乗ってインターバルのメニュー練習を入れていましたが、中盤からその代償を払うこととなり、メニューはやめ、獲得標高に専念しました。
それでもZONE2以上キープを意識していたおかげでスタミナ、持久力のベースは相当ついたと感じています。
・精神力
心の力は、エンデュランスライダー/ランナーにとって一番重要な要素かもしれません。
45日間のチャレンジ中ほぼ毎日降った雨。
この環境もある意味良い心の鍛錬になりました。
これはレースではなく、自己チャレンジで、7月中に終えると決めたのも他の自主ルールもあくまで自分次第です。
途中でペースを緩くしても、ゴールを遅くしても、雨の中外で走らなくても、誰に文句を言われるわけでもありません。
疲れていたら朝早く起きたくない。
急な斜度では歩きたい。
・・・当たり前の感情です。
その場面でこそ、
どういった「自分」でありたいか、
今よりも強い自分を想像できるか、
その時に行動できるか、
これらが今後に繋がります。
チャレンジを有言実行することは体力だけでなく、心のチャレンジでもあったのです。
・喜びと感謝
辛いチャレンジではあるのですが、大好きなことに情熱100%全力で打ち込める喜びを感じ、そしてそれができる環境と協力には感謝しかありませんでした。
知ってはいましたが、この大自然を舞台にしたMTBとトレイルランの2種目エンデュランススポーツが心底好きなことを再確認しました。
以前から登りと下りが大好きであり、得意だったのですが、これだけ登ったら流石に飽きたり嫌になるかも、と思いました。
しかし!
答えは、全くの逆でした。
日を追うごとに、その楽しさの深みに今まで以上にハマっていきました(笑)。
これも、レース開催が難しい状況で生まれたこのような新形態のチャレンジを理解し、協力してくれるスポンサーと家族のおかげです。
アスリートフード研究家である妻・清子は、自身もレッドビル10万フィートチャレンジに参加しながら、疲労回復と翌日への栄養を考えた最高のプラントベースの食事を毎日作ってくれました。
・成長
辛い場面もありましたが、確実にチャレンジ前の自分よりも胸を張って成長できたと言えます。
アスリートとしてはもちろん、人としても。
こんな素晴らしいチャンスをくれた「レッドビル・レースシリーズ」にも心から感謝です。
競技を始めて約15年。
毎年欠かさず何十もの国内外のレースに出場してきました。
今年の出場レースはゼロ。
この時期に日本にいるのも約15年ぶり。
この状況を嘆くのか。
レースが無いことで活動はできないのか。
それとも
こんな年もあって良いのではないか。
自分を見つめ直せる良い機会ではないか。
新たな可能性を発見できるのではないか。
前者と後者どちらが生産的な未来に繋がるか。
私の中では明確です。
全ては気持ちの持ちようです。
今回のチャレンジも然りです。
私にとっては決してレースの埋め合わせではなく、
レースと同等以上の真剣さで取り組みました。
結果、やってよかった!と心から思えた上に
たくさんの気付きがある可能性の宝庫でした。
アスリートが表現できる場は
レース以外にもたくさんあります!
今回のチャレンジを学びに
これからも
視野と活動を無限に広げ
自分もみんなも
楽しくワクワクすることを
思いきり
表現&体現していきます!