大会名:松野四万十バイクレース
大会ウェブサイト:http://matsunoshimanto.com
開催地:愛媛県松野町
開催日時:2017年10月29日
距離:95km(台風の影響により短縮)
タイム:5時間52分40秒
順位:優勝
ナショナルチーム(門田基志選手・西山靖晃選手との3人チーム)として参戦
今年、第2回目を迎える国内最長、最強のMTBレースと謳われる松野四万十バイクレース(MSBR)。今年は140kmと距離をさらに伸ばし、難易度もパワーアップしている。その謳い文句を目にして長距離レーサーとして燃えないわけがない。
昨年の第一回と同様、門田基志選手(GIANT)、西山靖晃選手(焼鳥山鳥レーシング)の3人でチームを組み「ナショナルチーム」を再結成。3人とも今年ドイツで開催されたUCI MTBマラソン世界選手権の日本代表メンバー。正に国内最強の長距離チームと言えるだろう。
レース目標は当然連覇。
しかし、台風22号が直撃という気象予報がレーサー達を動揺させた。レース開催有無の決断は大会当日朝まで持ち越された。
警報が出たら中止という判断基準。当日朝に松野町には警報が出なかったので大会は開催方向に動いた。
大会運営陣は安全を考え、臨機応変にコースを短縮し、コースを変更した。舗装路アプローチからの目黒林道のループを3周(アルティメット)、2周(アドバンス)、1周(チャレンジ)。3周の距離は約95km、獲得標高2500m程度ある。距離は短くなったとはいえ、ダート率も上がっているので充分すぎるほどに乗りごたえはある。ループの周回コースにしたことで従来のコースよりも安全管理がし易くなっていることも素晴らしい判断だと感じた。
レースバイクセットアップ:
警報が出ていないとはいえ、台風は台風。決して油断はできない。当日朝も起きた時点で大粒の雨が激しく降っていた。
ホットオイルを身体中に塗り、防寒、防水対策の準備を入念に進めた。
朝5時半スタートなので前後のライト装着が義務付けられている。
会場へ行きスタートへ並ぶと、雨が降りしきる真っ暗の中に無数のバイクライトが光り、摩訶不思議な幻想的な風景が広がる。悪天候を承知で「レースがしたい」という強い思いで集まった同志しかそこにはいない。不思議な一体感と共にテンションも上がっていく。
©Motoshi Kadota
朝5時半、未知のビッグアドベンチャーの火蓋が切って落とされた。
スタートからハイペースでふるいをかけて、早くも先頭は2チームに絞られる。暗い上に降りしきる雨で視界がかなり悪い。暗闇での急カーブや落ちている枝や石などの障害物には普段以上に神経を使い、チームメートと声を掛け合い、明るくなるまでは安全第一にコースを進んだ。
目黒林道のオフロードに入るとうっすらと明るくなり始め、いよいよ本格的な登りが姿を表す。私たちもエンジンをかけ始めてペースアップ。チームメートと高め合いながら相乗効果でペースがグングン上がる。あっという間にリードを広げていく。
強く踏んでもチームメートがそれ呼応し、かぶせてペースを上げてくる。それにまた応えて踏む。下りも阿吽の呼吸で得意な箇所でそれぞれがリードをする。もちろんきついが、乗っていてすごく気持ちがいい。さすがナショナルチームだ。
1周目で大きくリードし、2周目へ突入。エイドステーションでは大会名物のBBQスタイルの鹿肉ソーセージをいただく。寒い中での温かい食べ物と塩気、美味しさが身体に染み渡る。
寒い中では身体が体温を上げようと、エネルギーを使い余計にお腹がすくので、低温時に食べることは非常に大切だ。普段よりも多めにエイドで食べ物を摂取した。大会エイドは食べ物が充実していたので自分ではほぼ持つ必要がなく、非常に助かった。
2周目から他クラス、周回遅れの参加者を追い越す場面が増える。励ましあったり、余裕があれば記念撮影をしたり、交流を楽しむこともできた。この悪天候の中だと気が滅入りがちなるが、声を掛け合うことでお互いに元気をもらうことができる。
チームで一回パンクがあったが、修理工具を共有できるチーム戦略をうまく活用し、迅速に対処。
2周目を終え、エイドでこれまた大会名物の「浴衣美人と松野音頭」を踊り、本気で走りつつも大会を思い切りエンジョイ。しかし、台風のピーク時間で身体の冷えもピーク。エイドで再びしっかりと腹ごしらえをする。
そうこうしているうちに2位のチームと合流してしまい、3周目・最終ラップへトップ2チームで突入。
冷えていく身体を温めるためにダンシングを多用し、横殴りの雨風を振り払うようにペースを上げていく。
林道に入り、再びリードを広げるがなかなか身体が温まらない。ダンシングし続けて登り中腹でようやく調子が戻ってきた。レイヤリングをもう一枚増やしてもよかったかなと反省。
レースでは攻めと安全のギリギリを選択していくので経験があるとはいえ、毎回成功するとは限らない。
さらに相手は偉大なる大自然。毎回学ぶことばかりだ。だからこそ成長できるということでもある。
最後のダウンヒルは安全に確実にこなし、ゴールへと続く舗装路区間は最高のチームワークで先頭交代をしながら高速ペースをキープ。
非常に過酷なコンディションだったが、今年も一番にフィニッシュゲートをくぐることができた。
共に高め合い、戦ってくれたチームメートに心から感謝。
表彰式にて。松野町の新鮮野菜、お米、地酒など豪華な賞品も嬉しい。
そして、この台風の中で最善を尽くしてくれた大会運営の方たちには頭が下がります。ありがとうございました。
沢山の応援ありがとうございました。
池田祐樹
〜超戦〜
TOPEAK ERGON RACING TEAM USA
レース中機材・装備:
タイヤ: MAXXIS IKON 2.2 (F&R), 前後20PSI
パーソナルスポンサー:
チームスポンサー: