2020年10月26日月曜日
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2020年10月24日土曜日
アドベンチャーイン富士見「バーティカル1000」レースレポート
大会:アドベンチャーイン富士見「バーティカル1000」
日時:10月18日(日)8:30~
距離:6.4km
獲得標高:1000m
順位:総合7位
タイム:54:49:25
コロナの影響もあり、今回が私にとっての今年初レース。
富士見パノラマスキー場のベースからスタートし、ゲレンデを直登して入笠山の頂上でゴールする上りのみのトレイルランニングレース。
昨年から私は、MTBに加えてトレイルランを加えた二刀流マウンテンアスリートとして始動するも、まだまだトレイルランの実力は発展途上。今回は、トップ選手達も多く参戦しているのでその実力や走り方・登り方を間近で学ぶ絶好のチャンス。
長距離ではなく登りのみの短期スピード決戦なので、なかなか一人では追い込めない領域のトレーニングとしても最高の場である。
コロナ対策としてスタートは、一斉ではなく、密を避けたランダムスタート。
今大会のプロデューサーでもあり、トップ選手でもあるヤマケンこと山本健一選手のお誘いを受けて招待選手達と最後尾から一緒にスタート(恐れ多くも)。
いきなり待ち受ける超急斜度のゲレンデも関係なく、先頭集団は高速スピードで駆け上がっていく。
トップ選手を視界から見失わないように高回転でリズム良く走るように意識するが、やはり超速い。
「マジか!?ここからこのペース?!」
次第に喉の奥に鉄の味がし、呼吸が荒れ、脚と心肺が燃えるように熱くなってくる。
久しぶりのレースの追い込み感覚だ。
こんなにキツくても
「イエス!戦いの場に戻ってきたんだ!」
と心はワクワクしてくる。
今年に入って軒並みコロナの影響で大会も中止となり、海外遠征も取り止めとなり、トレーニングは続けてきたが、正直モチベーションを保つのが難しかった。
もちろんレースでなくてもMTBとトレランは大好き。
しかし、
「もっと速くなりたい!もっと強くなりたい!勝ちたい!成長したい!」
この気持ちがあるうちはレースにチャレンジし続けたい。
改めて今回出場して自分はまだまだ競技が好きで、
この戦いの場にいることに喜びを覚える。
さて、レースは中盤に差し掛かる。
距離を確認した時にまだ半分くらいだったことに軽くショックを受ける。
「4分の3くらいは来たと思っていたのに・・・」
手を使わないとひっくり返りそうなほどの斜面が容赦なく襲いかかってくる。
徐々にトップ5が視界から遠のいていく。
着いていけない自分がすごく悔しいが、普段見られないトップ選手達の力強い走り、ロスのない登り方を間近で体感できていることは大きな収穫だ。
すぐに彼らの登り方を真似たり、応用し、ペースアップを試みた。
走らなくちゃダメだと思っていたけれど、皆パワーハイクもちょこちょこ取りいれている。
斜度に応じてランを基軸にしつつも、見様見真似でパワーハイクを組み合わせてペースを一定に保つ。
「なるほど!この感覚か!」
レースだからこそたくさん吸収して何かできるはずだ。
この短い時間の中でも成長したい。
そんな試行錯誤もすごく面白くて、MTBレースを始めた頃も同じだったな、と思い返す。
この目の前の激坂に全力投球で立ち向かうのと同様に、一生懸命に這い上がっている時が楽しくて成長できる気がする。
横目に雲海の上に浮かぶ神々しい山々の絶景が見える。立ち止まって拝みたいほど綺麗だが、それは頂上までのお預けだ。
Photo: Ami「頂上でもう少し待ってろよ〜!」
ようやくゲレンデの激坂が終わると、斜度は緩むがアップダウンのスピード区間へと移る。
斜度と同様に気持ちも緩みがちになるのを堪え、ピッチとストライドを上げて追い込み続ける。
順位もわからないほど頭は酸欠状態。
後方にぴったり着いていくる選手のプレッシャーが後押しする。振り払おうとペースアップするが相手もすごく強く、引き離せない。キツく、もどかしい展開だが、おかげでスピードが上がっているのも事実。
体力は限界点寸前だが、コース初見ということもありラストスパートを仕掛けるポイントとペース配分が難しい。
フィニッシュかと思ったところからさらに500m?ほどの登山道の急登が待ち受けていた。
サプライズではあったが、険しいトレイル大好きな自分としてはここが勝負どころと判断。
「ここだ!」
MTBレースの最後の追い込みの感覚でもう一段階ギヤを頭の中で「カチッ!」と上げて最後の力を振り絞る。
ハイク以上、ラン未満のような自分なりの新フォームが良い感じに「ハマった!」
一緒にいた選手を引き離し、追い込み切ってフィニッシュラインを跨くことができた。
フィニッシュ後もまだ心臓はバクバク、息遣いが頭の中に響き、アドレナリンが放出され続け、身体も心も燃えるように熱い。脚は小刻みに震えている。全力を出し切った証拠であるこのフィーリング。最高だ。
共に戦い、高め合ったライバル選手達とお互いをたたえ合う。
「みんな本当に強かった!ありがとう!」
改めて、レース中にはゆっくりと見られなかった絶景を見渡す。
「うわ〜!超綺麗〜!」思わず叫んでしまう。
全力を出し切って登ってきたご褒美ということもあり、ただでさえ綺麗な景色が、今はその何十倍にも山々が輝いて見える。
次々と仲間がフィニッシュへと飛び込んでいる。
超辛い道のりだっただけど、頑張り切ったみんな、凄くキラキラした良い顔をしている。
私のレースは7位という結果。
MTB選手もやりながらさすが、そう言われるとすごく嬉しいがやっぱり悔しい。
欲張りかもしれないが、トレランももっと強くなってMTBと同様のレベルに引き上げて両種目でトップを狙いたい。それが本心であり、これからもその目標に邁進していきたい。
今回、レースに誘ってくださったMTBレジェンドであり、尊敬してやまない中込先輩ご夫婦に心から感謝。
最高の日をありがとうございました。
テーピング:ニューハレ [ニーダッシュ(膝)、Xテープ(足首)、Iテープ(足裏アーチ)]
レースシューズ:アルトラ バニッシュXC
中込辰吾さんがレース中にも関わらずGoProで撮影してくれたムービーです。
ありがとうございました↓